福岡県の有明海で、特産のあさりが一定数死んでいることが分かり、専門家は記録的な大雨で大量の真水が海に流れ込み、塩分の濃度が低下したことが原因の一つだと指摘しています。 有明海は、国内でも有数のあさりの産地の一つで、特産ののりと並ぶ代表的な海産物となっています。 今回の記録的な大雨を受けて、県の水産海洋技術センターや地元の漁協の連合会は、今週はじめにかけて柳川市や大牟田市の有明海の4か所で緊急の調査を行いました。 その結果、調査で取ったあさりのうち、平均でおよそ2割が死んでいることが確認され、状態からこの10日ほどの間に死んだとみられるということです。 有明海の沿岸部では大雨が降った今月6日以降、塩分の濃度が平均的な値の5分の1以下に急激に低下し、今も低いままになっています。 センターなどによりますと、あさりは塩分濃度が低い状態が続くと弱って死に至るということで、記録的な大雨やその後の断続的
梅の実が熟す頃だからとか、カビ(黴=バイ)が生える時期だからとか、今頃の雨が「梅雨(バイウ)」と呼ばれる由縁にはいくつか説があるようです。いずれにしても「梅雨」は中国・長江付近で生まれた言葉で、中国では「メイユ」と呼ばれます。 長江流域の洪水今年の梅雨は日本でも例年にない大雨となっていますが、中国、特に長江周辺でも、記録的な雨が観測されています。 433の河川が氾濫危険水域を超え、そのうち33が観測史上最高水位を記録しています。死者・行方不明者は141人に及び、3,800万人が洪水の影響を受けているもようです。 この大雨の影響で、浙江省の新安江ダムは8日、水位が108メートルに達し、9つすべての門から緊急放流を行いました。これはこのダムの61年の歴史の中で、初めてのことです(※)。 さらに江西省にある中国最大の淡水湖・ポヤン湖の水位が13日、観測史上最高となる22.6メートルに達しました。
ロシアで最も寒い地域の一つ、ヤクーチア中央部で燃える森林。ヤクーチア地方は83パーセント以上が森林に覆われている。今年の山火事はかなり北の方まで燃え広がり、科学者たちを驚かせている。(PHOTOGRAPH BY YEVGENY SOFRONEYEV, TASS/GETTY IMAGES) 人為的な気候変動に加えて晴天が続いたことにより、ここ数カ月の間、シベリアが猛暑に襲われている。この熱波は、6月に北極圏の気温を38℃まで上昇させたのみならず、大規模な山火事にも拍車をかけており、永久凍土層のあるツンドラまでが現在、炎に包まれている。 気温が低く、水分が多く、凍っているために、本来であれば燃えるはずのない地域で山火事が相次いでいるというこの事態に、生態学者や気候科学者は懸念を募らせている。彼らが恐れているのは、この火災が北極圏における急激な変化のさらなる兆候かもしれないこと、そして、局地的に
大分県は9日、同県日田市天瀬町のJAおおいた天瀬支店の倉庫が7日午後に損壊し、保管していた農薬674キロが流出していたと発表した。すぐ脇にある玖珠川などに流れた可能性があり、県は下流域の福岡、佐賀両県の関係漁協などに注意を呼び掛けた。 大分県によると、農薬は殺菌や消毒用。うち魚への毒性があるものは約415キロだが、県は雨で希釈されている可能性が高いとみている。現在、被害の報告はないという。 同JAによると、玖珠川の対岸の崖から岩が川に落ち、その衝撃で川底にあった岩がはねて倉庫に突っ込んだとみている。岩は大きいもので直径約1メートル。倉庫の壁は大きく破損し、内部には数個散乱していた。関係者は「想像もしていなくて驚くしかない。真摯(しんし)に対応したい」と話した。 (岩谷瞬、笠原和香子)
2011年3月の東日本大震災発生からまもなく9年。大津波に見舞われた海岸の生態系は今どうなっているのか。その推移を、さまざまな生物をすみかに渡り歩く寄生虫を目印として調べる研究に、国立環境研究所(茨城県つくば市)などのチームが挑んでいる。【大場あい】 ●巻き貝を「宿主」に 東北の太平洋岸では、地震による地盤沈下と大津波で干潟が水没した。その一部である仙台湾にある干潟6カ所で、研究チームは巻き貝「ホソウミニナ」の生息状況を震災前の05年から調査している。 ホソウミニナは、国内では北海道から九州までの干潟に幅広く生息する。チームが調査中の干潟でも震災前、1平方メートル当たり約850個生息していたところもあった。そこで研究チームは、干潟ごとに採集地点を決め、震災前後の生息密度の変化を調べた。
インド洋の海面水温の異常が、昨年から今年1月にかけ期間、規模ともに「過去最強クラス」だったとみられることが海洋研究開発機構の分析で判明した。過去最悪と言われるオーストラリアの森林火災や、アフリカ東部でのバッタ大量発生をもたらした可能性がある。 豪州で昨年から続いた森林火災は、日本の国土面積の約半分にあたる1700万ヘクタール以上が焼失したとされ、首都キャンベラ周辺でも1月31日に非常事態宣言が出た。豪気象局によると、昨年の平均気温は平年より1・52度高く過去最高を記録。降水量も4割少なかった。 この高温、乾燥の原因とされるのが、インド洋の東西で海面水温が平年値より大きく異なる「インド洋ダイポールモード現象」だ。南米沖の太平洋赤道域で海面水温が高くなるエルニーニョ現象と同様に、日本を含む世界各地の異常気象に関係しているとされる。
オーストラリア爬虫類公園で、洪水の中コアラを避難させる職員。同園提供(2020年1月17日撮影、入手)。(c)AFP PHOTO / AUSTRALIAN REPTILE PARK 【1月17日 AFP】オーストラリア東海岸で17日、数か月にわたり猛威を振るう森林火災の脅威にさらされていたコアラたちが一転、豪雨でずぶぬれになり、今度は洪水の危険に見舞われている。間一髪で救出されたコアラもいる。 【関連記事】森林火災で負傷したコアラ、仮設病院に次々搬送 豪南東部の壊滅的な森林火災は長い干ばつが一因となっているが、今週に入って待望の雨が降り、東海岸の一部では豪雨となった。シドニー郊外にあるオーストラリア爬虫(はちゅう)類公園(Australian Reptile Park)でも17日朝、激しい雨が降り、低木林の一帯に濁流が押し寄せた。 公園当局は、ずぶぬれでゴムノキにしがみつくコアラや、濁流の
森林火災から救出され、豪シドニー郊外にある野生動物保護団体ワイヤーズの施設に保護されているカンガルー(2020年1月9日撮影)。(c)SAEED KHAN / AFP 【1月18日 AFP】オーストラリアの野生動物保護団体「ワイヤーズ(WIRES)」のサラ・プライス(Sarah Price)さんは、焼け落ちた木々の間に横たわる瀕死(ひんし)のカンガルーのおなかの中から、奇跡的に生きているおびえた赤ちゃんを助け出した――赤ちゃんは「チャンス」と名付けられた。 チャンス親子は、オーストラリア南東部で猛威を振るう森林火災を生き延びた。だが、母親は極度のストレスにより臓器が破壊され、死んでしまった。これまでに火災による影響で、10億匹を超える動物が死んだと推測されている。 チャンスは普段は暗い部屋に置かれた袋に隠れており、食べ物や水が与えられ徐々に回復している。 毛が焦げたコアラや手足にやけどを負
フィリピン・ビニャンで、タール火山から噴き出た灰でれんがを作る工程をチェックする作業員ら(2020年1月17日撮影)。(c)Maria TAN / AFP 【1月18日 AFP】フィリピンで、ごみ問題と度重なる自然災害に対処するため、火山灰とプラスチックごみを混ぜたれんがを作るユニークな取り組みが行われている。 タール(Taal)火山は、約1週間前に活発化。上空には巨大な噴煙が立ち上り、近隣の都市ビニャン(Binan)は細かい灰色の粉で覆われた。そこで環境当局は、火山灰を除去するのではなく、砂やセメント、プラスチックごみと混ぜ合わせ、地元の建設事業用に1日当たり約5000個のれんがを作る計画を決定した。 ビニャンの環境当局者、ロデリオ・リー(Rodelio Lee)氏は、「灰は、どこかに積もったままにさせておくのではなく、プラスチックと混ぜれば、便利なものに変えられる」と話す。 危機的なご
(CNN) オーストラリアで過去最大規模の森林火災が続く中、同国南部の一部地域で「ファイアネード」と呼ばれる炎の竜巻が猛威を振るっている。 ファイアネードは、最大で高さ16キロにも達する火災積乱雲によって引き起こされる。 このファイアネードの発生により、周囲は普段以上に危険かつ予断を許さない状況になる。今週はじめにはトラックが炎の竜巻に巻き込まれて横転し、消防士が死亡した。 火災積乱雲は、火災の異常な高熱により急激な上昇気流が発生して形成される。煙は巨大なアンビル(金床)型のタワー状に立ち昇る。 豪気象局のベネット報道官は、この激しい雲は急速かつ予測不可能な変化をもたらすため、消防隊の消火活動がさらに危険になると警告する。 「火災時に風の観点から天候を予測することは極めて重要だが、火災の発生下で激しい雷をともなう嵐など風の環境が非常に変わる状況に見舞われる場合、風の予測は極めて難しいものに
米カリフォルニア州サンタポーラで発生した「マリア火災」の消火活動に当たる消防隊員(2019年11月1日撮影)。(c)Josh Edelson / AFP 【12月28日 AFP】2019年は気候変動に起因し10億ドル(約1090億円)以上の経済的損失をもたらした自然災害が少なくとも15件発生したと、英ロンドンの国際援助団体「クリスチャン・エイド(Christian Aid)」が27日公表した報告書で明らかにした。 クリスチャン・エイドは、各国政府の公式統計や、非政府組織(NGO)や援助団体による推計データ、科学研究やメディア報道に基づいて被害額を推計した。 推定被害額が100億ドル(約1兆900億円)を超えた災害も7件あった。この7件は、インド北部に壊滅的被害をもたらした洪水や、中国を襲った台風9号(アジア名:レキマー、Lekima)、米国を襲ったハリケーン「ドリアン(Dorian)」、中
ことし日本には平年の倍近い5つの台風が上陸し、このうち15号と19号は関東付近に上陸した台風としては統計の残るおよそ30年間で最も強いクラスで、各地に甚大な被害をもたらしました。専門家は、「台風が強くなっている背景には地球温暖化があると考えられ、来年以降もこれまでにないような激甚な災害が起こることを前提に備える必要がある」と指摘しています。 気象庁によりますと、ことし発生した台風は29と平年の25.6を上回ったほか、日本への上陸数は平年の2.7の倍近い5つとなりました。 9月に千葉市付近に上陸した15号では各地で最大瞬間風速の記録を更新し、関東や伊豆諸島を中心に暴風による建物の損壊や長期間の停電など大きな被害が出ました。 また、10月に伊豆半島に上陸し、関東や東北を通過した19号は120の地点で12時間雨量が観測史上1位となるなど、記録的な豪雨によって河川の氾濫や土砂災害が多発しました。
令和元年房総半島台風(れいわがんねんぼうそうはんとうたいふう、令和元年台風第15号、アジア名:ファクサイ/Faxai、命名:ラオス、意味:女性の名前)は、2019年(令和元年)9月5日に発生した台風。関東地方に上陸したものとしては観測史上最強クラスの勢力で9月9日に上陸し、千葉県を中心に甚大な被害を出した。この台風により、首都圏やその周辺などの台風災害に対する脆弱性が改めて浮き彫りとなった[1]。日本国政府はこの台風による被害について、同年8月の大雨とともに同一の激甚災害に指定した[2][3][1]。 台風の動き[編集] 2019年8月30日未明(協定世界時29日18時頃)に、マーシャル諸島近海の国際日付変更線やや東側で熱帯低気圧90Wが発生し、同日9時(協定世界時30日0時)頃に東経域に進入した。合同台風警報センター(JTWC)は9月1日18時(協定世界時1日9時)に熱帯低気圧形成警報(
狩野川台風との類似性[編集] 狩野川台風の進路図 この台風が日本に接近しつつあった10月11日、気象庁は記者会見を開き、「台風19号は非常に強い勢力を保ったまま、12日に東海地方または関東地方に上陸する見込みで、静岡県伊豆地方を中心に甚大な被害をもたらし1,200人以上の死者・行方不明者を出した、1958年の狩野川台風に匹敵する記録的な大雨となる恐れもある。」と発表し、警戒を呼びかけた[28][29][30][31][32][33][34][35][36][37]。会見した梶原靖司予報課長は、この狩野川台風を例示した理由について、「台風19号で予想される現象あるいは災害の程度が著しいということから例に挙げた」と説明し、「狩野川台風が取った進路や勢力あるいは北上の速度なども、台風19号と類似している点がある。あるいは台風の大きさなども含めて。」とし、「そういった類似性も高いため、説明に用いる
東北地方などに被害をもたらした台風19号の被災地を歩くと、森を全面伐採して丸裸にする「皆伐(かいばつ)」の跡地から土砂崩落が起きたケースが頻発していた。近年の他の豪雨災害でも同様の事例がみられる。政府が効率重視で林業の成長産業化を図る一方、こうした「人災」の検証は進まず、識者や林業関係者から懸念の声が漏れる。【寺田剛】 長さ100メートルを超える土砂崩れ 宮城・丸森 台風19号の通過から9日後の10月21日、記者は死者10人・行方不明者1人が出た宮城県丸森町に向かって国道113号を車で南下した。阿武隈川にかかる丸森大橋を渡ると、数キロ先の山腹に幅数十メートル、長さ100メートルを超える土砂崩れの跡が見える。「あれは皆伐跡地では?」と直感した。 現場は町中心部から約3キロ。町道から延びる林道の両側に約10ヘクタール、森を皆伐したらしい跡地が広がる。大型の林業機械を使ったらしい幅4~5メートル
地球温暖化が進むと、東日本の日本海側を中心に、むしろ豪雪が増えるという研究結果が出ました。特に山間部では、40年に1度の災害級の豪雪が、8年から9年に一度になるおそれがあるということです。 東北大学の佐々井崇博助教らの研究グループは、温暖化が進んで地球の平均気温が4度上がった場合の雪の降り方をシミュレーションしました。 その結果、1年で最も多く雪が降る「豪雪」時の降雪量は、太平洋側や日本海側の沿岸部では減る一方、東日本を中心とした日本海側の山間部ではむしろ増えることが分かりました。 特に岐阜県から新潟県にかけての山間部では、現在はおよそ40年に一度とされる1日60センチ以上の災害級の豪雪が、8年から9年に一度の頻度になるということです。 原因として、地球温暖化によって海水面付近の気温が上昇し空気中の水蒸気量が増える一方で、上空の寒気の温度はあまり上がらないため、雪の量が増えるということです
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