チューリップの品種「紫水晶」の花。底の部分が青い=吉田久美・名古屋大准教授提供紫色の花びらで、鉄を運ぶたんぱく質の遺伝子を導入した細胞だけが青く変わった=吉田久美・名古屋大准教授提供 チューリップに赤や白、黄色の花はあっても青い花はない。だが、花の奥の部分だけは青い品種があり、青くなるには細胞内に鉄が多く含まれるのが重要なことが、富山県と名古屋大のグループの研究でわかった。さまざまな花を青くする品種改良につながる可能性を秘めた成果だ。 富山県で生まれたチューリップ「紫水晶」は、花びらの上部は紫色だが、底の部分は青色。両方の細胞を比べたら、赤や青の色を出すアントシアニン色素の種類や量、酸性度(pH)には、ほとんど差がなかった。ただ、青色の細胞では、細胞内に含まれている鉄イオンの量が、紫色の細胞より25倍も多かった。 グループは青色細胞で働いている遺伝子から、鉄を運ぶたんぱく質「Vit1