水上に建てられた架空の高校を舞台に、アニメ制作に情熱を注ぐ3人の女子高生たちを描いた漫画『映像研には手を出すな!』(以下『映像研』)。 架空のメカや空想世界の設定画が次々と公開されていく一方で、作り手のこだわりや葛藤も生々しく描写されており、その読み味は唯一無二。全クリエイター必読の異色作である。1月からは湯浅政明監督によるTVアニメが放送中だ。 原作者の大童澄瞳(おおわら・すみと)は、なんと本作がデビュー作。発達障害であることを公表しており、小学生の頃から生きづらさを感じていたという。不登校や引きこもりの経験を経て、社会を生き抜くための手段として、絵を描き始めたそうだ。 そんな大童がアニメーターを志し、漫画家となり、『映像研』を生み出すまでのストーリー。こちらもかなりの異色作です。取材・文/岡本大介 ▲「アニメは設定が命」の浅草みどり(左)、カリスマ読者モデルでアニメーター志望の水崎ツバ
※本コンテンツはアキバ総研が制作した独自コンテンツです。また本コンテンツでは掲載するECサイト等から購入実績などに基づいて手数料をいただくことがあります。 同作は「月刊!スピリッツ」(小学館)で連載中のコミック「映像研には手を出すな!」が原作。空想力にあふれ設定制作に長けた浅草みどり、金儲けが大好きな金森さやか、お嬢様でカリスマ読者モデルでもあるアニメーター志望の水崎ツバメという女子高生3人が、アニメ制作を通して彼女たちの「最強の世界」を創り出していく作品だ。 原作者の大童澄瞳さんは本作がデビュー作で、独特の世界観や映像作品のような絵作り、作中に登場する精緻な設定画などオリジナルな作風で読者を魅了し続けている。今回は大童さんに、原作者の立場から見たアニメ「映像研には手を出すな!」について語ってもらった。 ──アニメ化を聞いての感想をお願いします。 大童 湯浅政明監督が監督を担当してくださる
「月刊アフタヌーン」(講談社)で連載中の幸村誠さんのマンガ「ヴィンランド・サガ」と「週刊ヤングジャンプ」(集英社)で連載中の野田サトルさんのマンガ「ゴールデンカムイ」。前者は7月にテレビアニメがスタート、後者は2018年にテレビアニメ化されるなど共に人気作だ。バイキングの生き様を描く前者、明治時代末期の北海道を舞台にした金塊をめぐるサバイバルやアイヌ文化を描く後者と、テーマが珍しいという共通点もある。互いの作品をリスペクトし合っているという幸村さんと野田さんの対談がこのほど実現。第1回は、人気マンガ家の二人に、互いのマンガの魅力を語り合ってもらった。幸村さんが「ゴールデンカムイ」愛を爆発させ、野田さんの緻密な取材の裏側が明らかになる。 ◇「ゴールデンカムイ」の遊び心 「ヴィンランド・サガ」の細やかな描写 ――「ヴィンランド・サガ」「ゴールデンカムイ」をそれぞれ読んだきっかけは? 第一印象も
どうしても人と比べてしまう 人と比べて「ウゥゥつらい…」となる日、ないですか。私はあります。 思い返せば、高校では「あいつはいい大学に受かった」だので削られ、就活では「超一流企業にに内定がでた」という友の話を聞き、胃が終了していました。 ライターになった今も、他人の成功が耳に入ってくるたびに「すごいな」半分「だめだ私には才能がないんだ」半分になり、体の中で矛盾が発生し、胃の葬式が行われます。 ストレスがかかり、たびたび死んでしまう胃 ふと「もっと競争が激しい業界の人はどうやって生きてるんだ?」と疑問がうかびました。 というわけで今回は大人になって一番影響を受けた漫画『ヴィンランド・サガ』作者である幸村誠さんに「どうしてるのか」「自分のような悩みはないのか」と悩みをぶつけてみました。 月刊アフタヌーンで連載している『ヴィンランド・サガ』。昔のヨーロッパを舞台に、戦乱の最中(さなか)、正しい生
映画監督、小説家、そして漫画家。 SNSが普及し、私たちは稀有な才能を持つクリエイターたちの生の声を手軽に読めるようになった。 好きな作者をフォローしていれば、作品では描かれなかった裏設定や、作者の創作哲学が垣間見えたりする。 つくり手の言葉と一緒に作品を楽しめる。 豊かな時代になったものだ。 その一方で、自分も漫画家なのに、ツイッターで“他人の漫画”を大量に、異様な熱量で推し続ける男がひとりいる。 幸村誠。現在『アフタヌーン』(講談社)で『ヴィンランド・サガ』を連載中の人気漫画家だ。 彼はなぜ貴重なプライベートの時間を使って、他人の漫画を勧め続けるのか? というか、そもそも漫画家って、他人の漫画を読む時間なんてあるのだろうか? 今回は人気漫画家の自宅兼作業場へ突撃インタビュー。現在進行形で名作を生み出している仕事場から、ほとばしる漫画愛をお届けしよう! 撮影/飯田直人(livedoorニ
コミックDAYSインタビューシリーズ 第1回 「幸村誠」(3) 取材:構成=木村俊介 幼少期、漫画家を目指すきっかけ、傑作の誕生秘話──。 なかなか表に出てこない漫画家の真の姿に、かかわりの深い担当編集と共に迫る。 漫画家――幸村誠 作品に『プラネテス』『ヴィンランド・サガ』など 編集者――金井暁 初代担当編集で現「アフタヌーン」編集長 第1回はこちら 第2回はこちら 第3回 これから、いちばん描きたいところを描くことになる 編集者と話し合った内容は5年後ぐらいに開花してゆく 幸村誠 僕は漫画を描きはじめて20年ほど経ちますけれども、いまだに「なんで人間は週刊で漫画を描けるのだろう?」とは思います。まだできていませんから。 金井暁 幸村さんは「そもそも、漫画をめぐる出版の構造がおかしいんだ」って、よく言っているもんねぇ……(笑)。 幸村 それでも、『ヴィンランド・サガ』が「アフタヌーン」に
コミックDAYSインタビューシリーズ 第1回 「幸村誠」(2) 取材:構成=木村俊介 幼少期、漫画家を目指すきっかけ、傑作の誕生秘話――。 なかなか表に出てこない漫画家の真の姿に、かかわりの深い担当編集と共に迫る。 漫画家――幸村誠 作品に『プラネテス』『ヴィンランド・サガ』など 編集者――金井暁 初代担当編集で現「アフタヌーン」編集長 第1回はこちら 第2回 「原稿がどのプロセスで遅れるのか」という愚問……? 苦しんだのは「想像と実物との間にあるギャップ」 幸村誠 金井さんに「漫画を描いてみないか?」と言っていただいてから、のちに『プラネテス』の第1話になるネームを渡すまでにかかったのは、2ヵ月ぐらいだったように思います。 困ったり悩んだりもしなかった。頭の中に入っているものを出してみたら、それくらいの時間がかかったという感じでした。見ていただき、ほぼそのまま「モーニング」に掲載してもら
コミックDAYSインタビューシリーズ 第1回 「幸村誠」(1) 取材:構成=木村俊介 幼少期、漫画家を目指すきっかけ、傑作の誕生秘話――。 なかなか表に出てこない漫画家の真の姿に、かかわりの深い担当編集と共に迫る。 漫画家――幸村誠 作品に『プラネテス』『ヴィンランド・サガ』など 編集者――金井暁 初代担当編集で現「アフタヌーン」編集長 第1回 『プラネテス』は「原稿をなくしたから」生まれた漫画? 20歳まで漫画を描いたことがなかった 幸村誠 僕が漫画を描きはじめたのは、20年前の夏ごろです。21歳でした。それまで、漫画を描いたことは1回もありませんでした。 それでも僕は、「漫画家」というものにはずっとなりたかったんです。中学2年生ぐらいになったら学校で急に「進路」って言葉が出てくるじゃないですか。 「……あれ、どうやら自分も、これから何十年間にもわたってやり続ける職業を、決めなきゃいけな
女性の「ひとり酒」を描いた毎週4ページの原稿には、どんな思いが込められているのか。『ワカコ酒』誕生の経緯や「内向的」だと語る自身の人生観について聞いた。
金髪パンチパーマや決めゼリフ「まじやべぇ!」など強烈なキャラで業界内外から注目を浴びる橋本崇載八段、軽妙な語り口やスイーツ大好きという個性的なキャラで将棋ファンに愛される加藤一二三九段といった個性的な棋士が話題になる一方、コンピューターとプロ棋士がガチンコで将棋の強さを競う「電王戦」をニコニコ動画で生放送するなど、最近何かとアグレッシブな動きを見せる将棋界。 そんな中で、いま特に注目を集めている棋士が「みっち」こと高橋道雄九段だ。御年53歳にして、先日開催された第5回AKB48選抜総選挙の上位3位の予想を見事に的中させ、ニコ動で放送された将棋の生中継では解説そっちのけでアニメ『けいおん!』に対する思いを熱く語るなど、将棋のお堅いイメージとは真反対のキャラクターを発揮する氏は、3月より個人ブログを開設。そこでもやはり、アニメやアイドルに対する、ほとばしるパッションを炸裂させている。 こうなっ
「宇宙兄弟」。累計の発行部数が1700万部を超える人気漫画です。漫画家の小山宙哉さんは綿密な取材をもとに近未来の宇宙開発を描いています。その小山さんが日本人宇宙飛行士の大西卓哉さんと対談しました。ことしは日本にとって宇宙開発への民間の参入が大きく広がる年です。それぞれの立場から宇宙を“発信”し続ける2人が語り合いました。 小山さんが10年前から描いている漫画「宇宙兄弟」。宇宙に憧れる六太と日々人の兄弟が主人公です。漫画でたびたび登場するのが、国際宇宙ステーションです。大西さんは去年10月末までここに4か月滞在。小山さんは、その暮らしぶりについて質問しました。 (小山さん)「眠れました?初日とか」。 (大西さん)「初日はもう疲れたので、ぐっすり眠ったと思いますね。体が全然力使っていないので、眠りの質はよかったですね」。 (小山さん)「みんなでゲームとかしないのですか?」。 (大西さん)「みん
魅力あるキャラが牽引 テレビアニメや実写映画でも人気を集めた小山宙哉(ちゅうや)さん(36)の漫画「宇宙兄弟」のオリジナル原画やアニメの設定画を集めた「宇宙兄弟」展が全国を巡回している。京都文化博物館(京都市)で開催された京都展には、9月23日まで2カ月弱の会期中に4万5千人を動員。単行本の累計発行部数も1400万部を超え、小山さんは「主人公の六太(むった)と日々人(ひびと)の魅力が宇宙への興味につながり、人気が広がったのだと思う」と、現在のブームを振り返る。(戸津井康之) UFOを見たことをきっかけに、幼い頃から兄弟で宇宙飛行士を目指す六太と日々人。日々人は一足先にNASAの試験に合格し、夢の実現へ向けて階段を一歩一歩、のぼっていく。 一方、カーデザイナーとして自動車会社に勤務する六太は、活躍する弟の姿をテレビニュースで見ながらもんもんと過ごしていたが、そこへ追い打ちをかけるように地方勤
その人は、甘いコーヒーを飲みながら、人類の追い求める理想と、SFが果たす役割を語った。 まるで子供のように純真で情熱的で、だけど真理を追い求める姿勢はまるで老師のようでもあった。 【幸村誠】 1999年、宇宙ゴミ=デブリが社会問題と化した近未来を舞台とした漫画『プラネテス』でデビューする。 それまで注目されてこなかったデブリの脅威を題材に、その下に経済を回し、社会生活を営む未来世界の描写は、宇宙開発関係者からも高い評価と支持を得る。 一方で、限りなく現実社会に近い社会で、今を生きる我々と同じように悩み苦しみ、そして前に進んでいく等身大の人々の姿は、SF漫画という枠を超え、幅広い層の共感を得た。 そして今、時を1000年遡った、11世紀のヴァイキングたちを描いた『ヴィンランド・サガ』を連載中でもある。 その作品の中では、一貫して「人は何故、前に進もうとするのか」「人の愛とは何なのか」を追求し
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