2月17日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は次期X線国際天文衛星「ASTRO-H(アストロエイチ)」の打ち上げに成功し、衛星は「ひとみ」と命名されました。ブラックホールなど、宇宙の謎の解明に活躍することが期待されています。 天文観測には夢やロマンがあります。美しい宇宙の写真が私たちを楽しませてくれます。しかしそれだけのために全長14mもの大型衛星を、数百億円もの税金を使って打ち上げているのではありません。宇宙に打ち上げられた天文台は私達に何をもたらしてくれるのでしょうか。 地上からは見えない、X線の星空 私達が地上から見上げる星空は美しいものですが、実際には宇宙のごく一部しか見えていません。その理由のひとつは、地球には大気があるからです。海の中の魚が空を見上げてもよく見えないのと同じで、大気圏内からは見えない情報がたくさんあるのです。 宇宙の星々からは人間の目に見える光(可視光線)のほか