東京のど真ん中でひっそりと営業を続ける書店。日本で唯一とされる気象の専門書店には入門書から素人には完読不能な学術本までそろっています。広く知られてはいないけれど多くの人たちに愛されてきた書店は、来月その歴史を閉じることに。店をのぞくとそこには深遠で濃密な気象の世界が広がっていました。(社会部記者 内山裕幾) 気象庁の正面玄関から入って薄暗い廊下を進むこと50メートル、その書店が見えてきます。 名前は津村書店といいます。 中に入ると天井まで積み上げられた本にまず圧倒されました。30平方メートルほどのこぢんまりとした店内を歩くと、本のにおいがまとわりついてきます。天気に関する新書や地震・火山の学術書、気象を題材にした小説にいたるまでいかにも専門書店といった雰囲気です。 平積みになっている大型本を1冊手に取ってみました。 『らくらく突破 気象予報士 かんたん合格テキスト』(3520円) え、これ