あんまり会えない人のことは、何彼に付けて心配してしまいます。最近、めっきり降らない雨のことを気にしています。「好きな天気は雨です」と言った人がいて、私はこの言葉の響きがなかなかに気に入っています。まだ生きてきた人生が短いから、雨は雪と同じくらい特別なものに思います。とは言え私の来世はもう決まっていて、それは雨です。それを凄く悲しい夢の中で知りました。 死んで魂になった私は、頻く頻く泣きながら六つの小さな光の点になって激しい嵐の中を上昇していくところで、暴風雨の乱気流にのまれて汚い灰色の雲の中にいた。上に向かっていく自分に相反して勢いよく落下していく雨を羨むのだった。私は生まれ変わったら雨になりたい、こんなふうに雨になって、できるだけ静かな雨となって、こうやって、地上に降り注ぎたいと、そう切々に思ったのを憶えています。雨になる、これは自分が決めたのでした。 雨というできごとにまだ不慣れだ。