11日夜、北海道や石川県輪島市などで、オーロラのような現象が観測された。ここ数日報告されている、太陽の表面で起こる大規模な爆発現象「太陽フレア」の影響とみられる。英国やスイス、中国など世界各地でも10日までにオーロラが報告されている。
6月1日付で宇宙航空研究開発機構(JAXA)を退職する宇宙飛行士の野口聡一さん(57)が25日、東京都内で会見を開き、「後進の飛行士に道を譲りたいと思い、身を引く決意した。今後は研究・教育機関で、一人の民間人として宇宙を盛り上げていきたい」と語った。今後は宇宙飛行経験を活かし、民間の宇宙開発事業などに関わっていく方針という。 野口さんは、石川島播磨重工業(現IHI)のエンジニアを経て平成10(1998)年に宇宙飛行士に。その後、米スペースシャトル、ロシアのソユーズ宇宙船に搭乗して国際宇宙ステーション(ISS)に向かい、宇宙大国の米露の技術をいずれも体得した初の日本人となった。 一昨年11月には、米スペースX社の新型宇宙船クルードラゴン(初号機)に米国人以外で初めて搭乗し、ISSに約半年間滞在。4度目の船外活動に取り組むなど、長年にわたって日本の有人宇宙開発を牽引(けんいん)してきた。 野口
末松信介文部科学相は15日、開発が遅れている新型主力ロケット「H3」について、政府宇宙政策委員会の委員から設計変更を含めた対応も求められたと明らかにした。文科省は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)などによる開発状況の十分な報告も求められており「政策委の議論を踏まえて開発に取り組んでいく」と述べた。閣議後記者会見で質問に答えた。 H3ロケット1号機は令和2年度の発射予定だったが、開発中のエンジンの不具合で延期が続き、3年度中の発射を断念している。 関係者によると、宇宙政策委の委員から「芋づる式で新しい課題が出てくるという不安が拭えない」「ずるずると遅れれば衛星打ち上げの顧客が逃げる」と懸念が噴出。早期の完成を求められていた。
探査機「はやぶさ2」が小惑星リュウグウの試料を地球に持ち帰ってから丸1年経過した6日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は記者会見を開き、試料分析の進捗(しんちょく)状況などについて「来春にも隕石(いんせき)学の歴史を書き換えるような大発見を発表できる見通しだ」などと発表した。 はやぶさ2は昨年12月6日、試料を収めたカプセルをオーストラリア南部の砂漠に着地させた。計画全体を指揮する津田雄一プロジェクトマネージャは「カプセル帰還の瞬間を思い出すと今でも涙が出てくるが、それからあっという間の1年だった」と思いを語り、「試料の分析は順調で、とても面白い成果が出てきそうだ。担当者からは『隕石学の歴史を書き換えてしまう成果だ』と耳打ちされている」と報告した。 試料分析を担当する臼井寛裕(ともひろ)グループ長は「年内に論文を投稿し、審査を経て来春に成果を公表したいと考えている。試料は非常に良好な状態な
照明の光が天体観測に影響を及ぼす「光害」を防ごうと、パナソニックが夜空に光が漏れない照明の開発に成功した。「天体観測の聖地」として知られる岡山県井原市美星(びせい)町地区からの依頼で、年内に町内の防犯灯を順次取り換える予定。新型コロナウイルスの感染が拡大する中、天体観測は3密(密閉、密集、密接)になりにくい趣味として注目を集める。パナソニックは同地区を足がかりに全国に普及させたい考えで、街中で気軽に星空を楽しめるようになると期待が高まっている。 (山本考志) シートで光の漏れカット パナソニックが開発した照明は、ランプの上部に黒いシートを取り付け、道路と平行に設置することで光害の原因となる夜空への光の漏れをカットできる。一方で、まぶしさの原因となる青色光が少ない電球色を採用して道路の明るさも保つことができる。 開発のきっかけは井原市からの依頼。平成17年の合併で井原市に編入された美星町は、
探査機「はやぶさ」が小惑星イトカワから2010年に持ち帰った微粒子から、これまで知られていなかったひげ状の鉄の結晶を九州大などの研究チームが発見した。電気を帯びた粒子が太陽から吹きつける「太陽風」の影響で生じたとみられる。 結晶は微粒子に含まれる硫化鉄の表面にあり、長さは1千分の3ミリ程度。動物のひげのような形で、何本も延びている。このような結晶が地球上で見つかったことはないという。 大気のない小惑星は、強い太陽風にさらされる。鉄と硫黄の化合物である硫化鉄に太陽風が当たり、太陽風が運んだ水素が硫黄と反応して硫化水素ガスが発生。残った鉄が、揮発するガスで少しずつ運ばれ、500~1000年かけてひげ状に成長したのではないかとみている。
小惑星探査機「はやぶさ2」の地球帰還で鍵を握るのは、機体の加速に使う心臓部のイオンエンジンだ。初代はやぶさでは4基全てが故障し、一時は帰還が絶望視された苦い経験がある。対策を入念に重ねてきたが、開発担当者は「宇宙は甘くない」と気を引き締めている。 イオンエンジンは電気の力で進む燃費に優れたエンジンで、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が独自の方式で開発した。はやぶさ2で開発を担当した細田聡史さん(46)は「20日から来月2日まで行う試運転で一通りの性能を確認し、まずは安心材料を積みたい」と話す。 細田さんの頭をよぎるのが、初代はやぶさが復路で見舞われた大きな試練だ。平成21年11月、既に故障していた2基に加えて残りの2基も故障。絶体絶命ともいわれたが、先輩が仕込んでいた回路設計の工夫が奏功し、機能する部分を組み合わせて作動させることで、何とか切り抜けた。 はやぶさ2では細田さんが当初から開発
高校1年のとき、友人の勧めで京都アニメーションの作品「けいおん!」を初めて見てから丸10年。青春時代を京アニ作品とともに歩んだ一人として、京アニのスタジオが炎と煙に包まれる様子に言葉で言い尽くせない感情があふれ、涙をこらえきれなかった。 日本のアニメをサブ(非主流)カルチャーでなく、ポップ(大衆)カルチャーとして世界に認識させたものの一つが京アニだ。日常の些細(ささい)な出来事に意味を持たせる演出に高い作画力、美しい背景…。京アニの魅力は年齢、性別、人種を問わず世界へと広がった。 大学時代、仏留学中にベルギーで開かれた「JAPAN EXPO」の会場を訪れた際、1人の少女を見てうれしくなった。片目に眼帯のゴスロリ風ファッション。京アニ作品「中二病でも恋がしたい!」のヒロイン、小鳥遊(たかなし)六花(りっか)のコスプレをしていたからだ。事件後、外国人ファンが現場を訪れる様子に、世界への影響力を
小惑星「リュウグウ」を観測中の探査機「はやぶさ2」が来年7月ごろに地表に投下予定の小型ロボットに不具合があることが8日、分かった。東北大の開発責任者が明らかにした。復旧しない場合、計画通りの実験ができなくなるという。 ロボットは東北大などの5大学が開発に参加した「ミネルバ2-2」で、直径15センチ、高さ14・5センチの八角柱形。重力の小さい小惑星表面での移動方法を実験するため、4種類の移動装置やカメラなどを搭載した。 不具合は機体の情報処理に関するもので、平成26年10月ごろに見つかった。同年12月の打ち上げまでに解決しなかったが、復旧の可能性があることなどから宇宙航空研究開発機構(JAXA)と協議の上で、はやぶさ2に搭載して地球を出発した。 その後、リュウグウへの航行中に動作確認を3回試みたが、復旧していない。このままの状態だと移動装置で動作するのは山形大の装置だけで、東北大、東京電機大
宇宙航空研究開発機構(JAXA)が日本初の有人月面着陸機を開発する構想が16日、明らかになった。米国が2020年代に建設を目指す月基地への参加を念頭に置いたもので、欧州と連携し30年ごろに着陸を目指す。実現すれば米国のアポロ計画以来、約60年ぶりの月面着陸を日本が担う歴史的なプロジェクトになる。 構想によると、着陸機は4本脚のテーブルのような形状で、上部に欧州が開発する離陸船を連結させる。月の上空を周回する基地に係留し、飛行士4人が船内に乗り移り降下。エンジンを逆噴射して月面に軟着陸する。 カナダの探査車に乗って2日程度滞在し、月面を探査。帰還時は着陸機を月に残し、離陸船だけが上昇し基地に戻る。基地出発から帰還まで4、5日の予定で、ほぼ年1回、計5機程度の着陸を見込んでいる。 機体は米国のロケットで打ち上げる。1960年代に人類初の月面着陸に成功したアポロ(2人乗り)と比べ、離陸船と合わせ
国際宇宙ステーション(ISS)に滞在している宇宙飛行士の金井宣茂さん(41)が2回目の手記を産経新聞に寄せた。訓練の成果を生かし、米国の宇宙船のキャッチや船外活動という重大任務を果たした心境をつづった。 ◇ 訓練通りに成功 みなさん、こんにちは。宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙飛行士の金井宣茂です。2017年12月から始まった国際宇宙ステーションでの長期滞在ミッションも終盤に差し掛かってきました。先日は、物資補給のためのドラゴン宇宙船が到着し、生活必需品のほか、さまざまな機材やサンプルが運び込まれ、急ピッチで宇宙実験が進められています。 このドラゴン宇宙船は、日本の「こうのとり」宇宙船と同様、超高速で飛行する宇宙ステーションに対して、わずか10メートルほどのすぐお隣にぴったりとランデブーしたところを、宇宙飛行士が巨大なロボットアームを操作してキャプチャー(捕獲)します。捕まえる宇宙船自
国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在している宇宙飛行士の金井宣茂(のりしげ)さん(41)が、宇宙でつづった初の手記を産経新聞に寄せた。無重力の体験や実験の様子を通じ、宇宙への率直な思いを記した。 ◇ 奇妙な感覚も数分 こんにちは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙飛行士の金井宣茂です。 ロシアのソユーズロケットに乗って宇宙に打ち上がってから約1カ月がたち、国際宇宙ステーションでの生活にもだいぶ慣れてきました。宇宙での生活というと、何か特別なもののように思うかもしれませんが、実際にはそんなことは全然なく、転勤や長期出張をしたときに、新しい職場に慣れ、見知らぬ環境での生活を立ち上げるのにしばらく時間がかかるように、どうやって生活用品を入手するのか、どこに仕事道具があるのか、どうやってゴミを出せばいいのか…そんな普通のことを一つ一つ教わりながらの毎日でした。 一方で、無重力という環境にいち
【クローズアップ科学・動画つき】宇宙飛行士のブレーキ役?異色の慎重派、金井宣茂さん 初飛行へ意気込み語る 新世代の宇宙飛行士、金井宣茂(のりしげ)さん(40)の初飛行が約半年後に迫ってきた。海上自衛隊出身の医師として国際宇宙ステーション(ISS)に約半年間滞在する。訓練のため一時帰国した金井さんは「将来の宇宙旅行の医学的な問題点を考えながら、任務に臨みたい」と意気込みを語った。 金井さんは宇宙航空研究開発機構(JAXA)が平成21年に採用した3人の飛行士の1人で、潜水医学を専門とする。米国を拠点に訓練を重ねており、今年12月ごろ、米露の飛行士とともに3人でロシアのソユーズ宇宙船でISSへと出発する。 4月中旬の会見で「訓練は非常に順調で、今の状態でも宇宙で十分な仕事ができると感じている」と自信をみせた。 高精度の実験結果目指す同期は航空自衛隊テストパイロット出身の油井亀美也(ゆい・きみや)
1986年1月の米スペースシャトル「チャレンジャー」の爆発事故で死亡した日系人宇宙飛行士によって機内に持ち込まれ、残骸から回収されたサッカーボールが、悲劇から約31年を経て国際宇宙ステーションに運ばれた。米航空宇宙局(NASA)が8日発表した。 この飛行士は日系米国人として初めてシャトルに搭乗したハワイ州出身のエリソン・オニヅカさん。 ボールは、オニヅカさんの娘が所属していた、米南部ヒューストンにあるNASAジョンソン宇宙センター近くの高校のサッカーチームからオニヅカさんに贈られた。チャレンジャーは打ち上げ後73秒で爆発。米メディアによると、機体が爆発した後、海に落下した残骸の中からボールが奇跡的に原形をとどめたままで回収され、同校で保管されていた。(ニューヨーク共同)
京都大花山(かざん)天文台(京都市山科区)の存廃問題で、京大の教授やOBら有志でつくる「京都花山天文台の将来を考える会(仮称)」は4日、同天文台の存続案として「宇宙科学館」構想を公表した。構想では「宇宙と人」をテーマに、市民らが集う教育学習施設として活用することを提案している。ただ、存続・維持に年間で少なくとも1千万円の資金が必要で、スポンサー集めや寄付金を呼びかける方針。 同日、京都市内で開いた同天文台をめぐる講演会で明らかにした。 同会が提案する同天文台の存続構想は、映像やプラネタリウムの各設備を備え、宇宙・地球に関する歴史・文化や研究成果の解説展示を行う「宇宙科学館」▽最先端のものづくりを行うベンチャー企業が入居する「インキュベーションセンター」▽星空観察会や野外コンサートなど各種イベントができる「多目的広場」-などを設置。土地・建物は京大が保有し、運営は新たに設置する民間の一般社団
米航空宇宙局は、小惑星の試料を世界で初めて地球に持ち帰った探査機「はやぶさ」の米国版「オシリス・レックス」を日本時間9日午前8時すぎに打ち上げる。地球に近接する軌道を回る小惑星「ベンヌ」を目指し、有機物に富んだ鉱物を採取する計画。7年にわたる旅路の出発を宇宙関係者は待ちわびている。 宇宙航空研究開発機構のはやぶさが探査した小惑星「イトカワ」は岩石に多く含まれるケイ素が主成分だったが、ベンヌは生命の材料となる炭素化合物(有機物)が豊富だと考えられている。主任研究者でアリゾナ大のダンテ・ロレッタ教授は「46億年前に太陽系ができたころの有機物がそのまま残っているはずだ。生命の起源にも迫ることができるだろう」と期待する。 オシリス・レックスの本体は一辺が2~3メートルの立方体で、太陽電池パネルを鳥の羽のように広げる。機体下部には試料を採取するための3メートルほどのアームがあり、全体はハチドリに似て
宇宙飛行士として日本人初の船外活動をした土井隆雄さん(61)が、京都大の「宇宙総合学研究ユニット」の特定教授に就任した。キャンパスで同日学生らに講演し、「宇宙や国連での経験を生かし、皆さんが一番活躍できるものを探す手伝いをしたい」と抱負を語った。 土井さんは昭和60年、宇宙飛行士に選ばれ、62年に日本人初の船外活動を実施。平成21年にはウィーンにある国連宇宙部に転身した。 今年3月で国連宇宙部を退職し、自ら応募して特定教授に就いた。任期は4年間で、宇宙に興味を持つ学生に講義をしたり、研究者らと宇宙関連分野の研究を進めたりする。 講演で土井さんは、各国の宇宙飛行士と共同作業をする中で協調性の大切さに気付いたとした上で「日本的な考えが一番いいということはあり得ない。自分との違いを尊重できるようになってほしい」と話した。
優れたテレビドラマの脚本家に贈られる第34回向田邦子賞が5日、NHK総合の時代劇「ちかえもん」を手掛けた藤本有紀さん(48)に決まった。同賞に時代劇が選ばれたのは初めて。賞金300万円。贈賞式は5月31日、東京・内幸町の帝国ホテルで行われる。 藤本さんは平成11年のフジテレビ系ドラマ「鬼の棲家」でデビュー。これまでに、NHK連続テレビ小説「ちりとてちん」(19年)や大河ドラマ「平清盛」(24年)などを手掛けた。 「ちかえもん」は、主人公の近松門左衛門(松尾スズキ)が元禄時代を代表する人形浄瑠璃「曽根崎心中」を書き上げるまでを描いたオリジナル時代劇。近松が現代語をしゃべったり、昭和の名曲を替え歌で口ずさんだりするなど、一風変わったキャラクターやせりふがドラマファンの間で話題となった。 藤本さんは「狙って新しいことをやろうと思った記憶はないのですが、『今までとは違うものを書きたい』という気持ち
日本棋院の棋士採用試験本戦リーグで勝ち越すなど所定の成績を挙げ、4月に囲碁プロ棋士としてデビューする。囲碁が盛んな中国や韓国出身は珍しくないが、欧米出身では実に19年ぶりの快挙だ。「うれしかった。勝ち越したらプロ入りを推薦してもらえるかも、と言われていたので頑張りました」 フィンランドに住んでいた12歳の頃、英語でセリフが書かれた囲碁漫画「ヒカルの碁」をインターネットで読み、衝撃を受けた。「勝ちたいという情熱、負けて悔しがる登場人物や速い展開が面白かった。このボードゲームは何なんだ、と興味がわいた」 すぐに地元の囲碁クラブに通い始め、2004年には欧州ユース選手権に出場。ヘルシンキの工科大学在学中の11年秋に来日、プロ棋士を目指し、日本棋院の院生になった。7カ月の滞在後、帰国して大学を卒業した。だが、ビジネスの世界で働くことに興味がわかず、囲碁を究めるため、14年春に院生に復帰。小林千寿(
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