はじめに グルメ文化華やぐ日本では、現在、巷で世界中の料理が食べられている。インド料理、タイ料理、イタリア料理、中華料理、韓国料理・・・いまや、日本の人々は「世界を食べている」のである。しかし、これらは、しばしば、本場の料理と全く同じものではなく、日本風にアレンジされた各国料理であるといわれる。例えば、一般的にタイ料理の辛さは日本では抑えられている。また、日本の中華料理店では、料理にしょうゆやみりんが使われていることも少なくない。はたまた「たらこスパ」のように、イタリアのスパゲティが積極的に曲解あるいは日本化されることで、新しい文化が創造される例もある。つまり、我々は日本的に解釈された世界の料理を食しているといえる。料理の内容に限らず、食事をめぐる表象にも目をむけてみよう。日本の韓国料理の店で、本来の鉄の箸ではなく、割り箸でだされるという例もある。「食」を切り口にすると、世界のさまざまな文
米国の地域史を対象とした博物館活動において、少数民族と主流民族が相異なる歴史認識に基づき展示や教育プログラムを制作・提示する過程と、その過程で見られる政治性について、民族誌的現地調査によって収集した資料を分析した文化人類学的研究。 序 論 博物館は誰に語りかけているのか 第1章 アメリカ合衆国における博物館の政治性 1 民族と歴史をめぐるアメリカ合衆国の博物館 2 文化人類学と博物館 3 歴史解釈とシンボル 第2章 インディアナ: 民族のクロスロード 1 フィールドワーク 2 インディアナポリス: その歴史と景観 第3章 「開拓」と南北戦争の歴史表象 1 「開拓」の記憶 2 南北戦争の記憶 第4章 多様性の承認 1 過去と向かい合う 2 自分たちアフリカ系の展示 第5章 多様性への挑戦 1 自律あるコミュニティ像の形成 2 起源としての「開拓」の表象 第6章 多様性の交渉 1 多様化の浸透
「俺たちは被害者だけど、敗北者ではない」――ハンセン病を得た人々が、集団になることではじめてできた活動とは何か。動けない「不自由」な者の「自由」とはどのようなものか。障害を越え、隔離壁を越え、人間の魂を耕し続けた人々の記録。
内容 従来の動物の権動論や,動物福祉論に基づく動物保護の政治的・理論的な行き詰まりの打開を目指し,「拡張された動物の権利論」に基づく新たな枠組みを示す。 著者たちは従来の動物の権利論で主張されてきた普遍的な基本的・消極的権利(~されない権利)に頼りきったアプローチの限界を指摘,人間と動物の混合コミュニティにおける積極的・関係主義的な権利の承認・人間の義務を導出することを試みる。伝統的な道徳的議論から政治理論の領域での議論へとシフトさせ,人間社会や制度とそれぞれの動物との相互作用・相互依存といった多様な関係に着目して,沢山の例証をあげながら伴侶動物を含む家畜動物,野生動物に加え,人間の生活環境を自ら利用している境界動物,それぞれについて政治学的概念を応用し,独創的な「人間と動物の政治共同体(Zoopolis)」の構想を示す。
済州島4・3事件―3万人もの島民が軍や右翼に虐殺され,反共体制下の韓国で語ることもタブーとされた事件に,ようやく国家が謝罪し,真相究明と補償がなされた。しかしそこで生じたのは,誰を慰霊するかを巡る新しい差別であった。沖縄戦や台湾での事件にも触れながら,国家による大量死の「犠牲者」が国家によって認定されるポリティクスに迫る。 『図書新聞』2017年7月22日付2017年上半期読書アンケート、選:川村邦光氏 『琉球新報』2017年9月10日付朝刊、評者:北村毅氏 『沖縄タイムス』2017年10月21日付朝刊 読書面、評者:納富香織氏 『ソシオロジ』第63巻1号(2018年6月)、104-105頁、評者:板垣竜太氏 高 誠晩(コ ソンマン) 立命館大学衣笠総合研究機構専門研究員。 1979年済州島生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学,博士(文学)。済州4・3研究所,大阪市
朝鮮人強制連行実態調査報告書編集委員会 チョウセンジン キョウセイ レンコウ ジッタイ チョウサ ホウコクショ ヘンシュウ イインカイ
罪に問われた高齢者・知的障害者等に、刑事司法の早い段階から医療的・福祉的支援へとつなぐ「入り口支援」。再犯を防止し更生の可能性にも期待をあつめるこの取り組みを分析、検証する。 【法律時評】 司法修習生への給費制復活……須網隆夫 ■特集 刑事手続と更生支援 ・刑事手続と結びついた更生支援の動向と課題……後藤 昭 ・起訴猶予と再犯防止措置――積極的活用と条件付起訴猶予の導入に向けて……太田達也 ・検察官の訴追裁量権と再犯防止措置……葛野尋之 ・検察における再犯防止・社会復帰支援のための取組……和田雅樹 ・裁判所が関与する更生支援の可能性……福島 至 ・刑事弁護と更生支援――福祉専門職と連携したケース・セオリーの構築……浦崎寛泰 ・再犯防止と弁護人の役割……池原毅和 ・社会福祉士等による刑事司法への関わり――入口支援としての福祉的支援の現状と課題……水藤昌彦 ■小特集 日本における外国人法制の現
希望を捨てずに何とか纏めました。北海道先住民の差別の歴史を少しでも理解していただきたく願いをこめて書きました。 平成5年9月、自伝『焦らず 挫けず 迷わず』(北海道新聞社)が出版された。 早いもので約20年の年月が過ぎ、この間読者の方々から「一気に読みました、涙が とまりませんでした」、「是非を勇気をもって、後編を書いてほしい」との激励が寄せられ、心強く嬉しいことであったが、昭和60年頃からは慢性関節リウマチをかかえいて、通院が始まった………。 【目次】 まえがき 1.アイヌ出て行け 2.アイヌでも先生になれるの? 3.教員への出発 4.失敗した校内研 5.豊栄神社祭 6.教員資格取得 7.Wちゃん 8.雪像づくり 9.アイヌに生まれて 10.先生はアイヌでしょ−私の心の師 11.迷ったEちゃん 12.障がいをもつ児童とともに 13.叱り方に感動 14.初めての本州旅行 15.大好きな祖父
全住民を巻き込んだ沖縄戦で、多くの子どもたちが家族を失い孤児となった。彼らが収容された米軍統治下の孤児院とはどのような施設だったのか。苦しい食料事情、感染症の蔓延、衰弱死など孤児たちが直面した現実をはじめて解明。占領・統治政策の本質と孤児院運営との関係に触れ、沖縄戦研究における空白となっているテーマに鋭く迫る意欲作。 編集者の眼-注目の慰安婦関連、新資料 日本軍に従軍していた朝鮮人「慰安婦」が、沖縄戦で行き場を失い孤児院で働いていた新事実が明らかにされます。聞き取り調査によるものですが、慰安婦と沖縄戦がひとつのラインで結ばれた新知見です。 ★大田昌秀氏推薦!(沖縄国際平和研究所 理事長) 孤児たちはいかに収容所に押し込まれ、どのように生きてきたか? 比類のない労作! まえがき/沖縄戦・戦後占領と孤児院―戦後児童福祉史の空白を埋める(沖縄戦とは何であったか/孤児院の所在地と運営内容/要保護者
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