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ブックマーク / huyukiitoichi.hatenadiary.jp (10)

  • 地球温暖化が進んだ時、我々はどこに逃げるべきなのか?──『気候崩壊後の人類大移動』 - 基本読書

    気候崩壊後の人類大移動 作者:ガイア・ヴィンス河出書房新社Amazon暑い日が続く今日この頃。日国内は避暑で逃げようにも北海道ですら歴史を更新する猛暑が続き、どこに行けばいいのかと途方にくれてしまいそうになる。しかも、地球温暖化は続くのだ。このままだと、国外に居住地を移す人も増えてくるだろう。 書『気候崩壊後の人類大移動』は、そうした「人類大移動」の未来について書かれた一冊だ。我々はいつ、どこで、誰が移住を強いられるのか。我々はどこに行くべきなのか。また、そんなにたくさんの人類が移動することに現行のシステムはとても耐えられそうにないが、では今後世界はシステム・運用方法をどうかえていけばいいのだろうか。書は国境問題や移民政策、糧問題にジオエンジニアリングに都市計画まで、気候変動をとっかかりに無数のジャンルを網羅し検証していく科学ノンフィクションで、暑さに参ってしまっている人にオススメ

    地球温暖化が進んだ時、我々はどこに逃げるべきなのか?──『気候崩壊後の人類大移動』 - 基本読書
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    iww 2023/08/27
    日本以外全部沈没はまだ読んだことない
  • 歴史上の偉大な作家らが高等知的生命体によって蘇り、創作の、読むことの本質に迫る、第10回ハヤカワSFコンテスト大賞受賞作──『標本作家』 - 基本読書

    作家 作者:小川 楽喜早川書房Amazonこの『標作家』は、ハヤカワSFコンテスト、その第10回目の大賞受賞作である。著者の小川楽喜は元グループSNE所属で既刊も存在する作家だが、今回は新人賞であるSFコンテストに作品を応募し、一次選考からはじめて見事受賞まで至っている。 SFコンテスト受賞作としては珍しい単行形式での出版であり、期待値はもとから高かったが、読んでみればこれは確かに単行で出したいよなあ! と思わせてくれる創作と読むことについての重厚な小説であった。優れた幻想/終末SFであり、虚構に耽溺することで現実と虚構の情景が入り混じっていく、そんな感覚が見事に表現された作品だ。ハヤカワSFコンテスト大賞受賞作の歴史の中でもまた異なるタイプの作品で、好みは分かれるだろうが、かなりおもしろかった。 あらすじや世界観など 物語の舞台は西暦80万年のはるかな未来。玲伎種(れいきしゅ)

    歴史上の偉大な作家らが高等知的生命体によって蘇り、創作の、読むことの本質に迫る、第10回ハヤカワSFコンテスト大賞受賞作──『標本作家』 - 基本読書
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    iww 2023/01/31
    Steamで出てた格闘ゲームのノベライズかと思った
  • なぜ一見何の利益もない嫌がらせ行為を行う人間が存在するのか?──『悪意の科学: 意地悪な行動はなぜ進化し社会を動かしているのか?』 - 基本読書

    悪意の科学: 意地悪な行動はなぜ進化し社会を動かしているのか? 作者:サイモン・マッカーシー=ジョーンズインターシフトAmazon最近、仕事中のほとんどの時間は何らかのゲーム配信(最近はLeague of Legends)を垂れ流していることが多い。人気のストリーマーは数千、数万といった視聴者を集める。そうすると、一人用ゲームではない対戦系ゲームを配信で行っている配信者は、少なからぬ「嫌がらせ」行為に遭遇するものだ。 たとえば、配信者がゲームのマッチングを開始したのにタイミングを合わせてマッチング開始し、配信者とマッチングしたらその試合で通常ありえないえないゲームプレイをして負けに導いたり、挑発行為を繰り返したり、Apexのようなバトロワなら配信を見て位置を把握し集中攻撃をかけたりが行われるのである。 そうした悪意あるプレイヤーが、なぜ、自分にとってたいして利益があるようにも思えない悪意あ

    なぜ一見何の利益もない嫌がらせ行為を行う人間が存在するのか?──『悪意の科学: 意地悪な行動はなぜ進化し社会を動かしているのか?』 - 基本読書
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    iww 2023/01/26
    『悪意ある拒否が結果的に公平性に繋がる』『悪意はこのように、正義のために用いたり、創造性の助けにすることができる』 『「すべてを焼き尽くして、また新しいスタートを切りたい」からトランプに投票した』
  • 世界から昆虫が減少しつつある現代の状況について──『サイレント・アース 昆虫たちの「沈黙の春」』 - 基本読書

    サイレント・アース 昆虫たちの「沈黙の春」 作者:デイヴ・グールソンNHK出版Amazonこの『サイレント・アース』は副題に入っているように、殺虫剤や農薬などの化学物質の危険性を訴えた「沈黙の春」の昆虫をテーマにした現代版とでもいうべき一冊だ。 著者によれば、いま世界から昆虫の数が急速に減少しつつあるという。温暖化など環境の変化もあるうえ、森林の伐採など問題は絶えないから、昆虫の数が減っていること自体に違和感はない。では、具体的に何が原因で昆虫は減っているのか? 気候変動の影響? 農薬や殺虫剤の影響がいまなお残っているのか? その全部が複合しているのか? そもそも、昆虫の数は数はあまりに多いので正確に把握されていないとよくいわれるが、数が減っているのは当なのか──など、昆虫の現在の苦境を中心軸において、無数の問いかけを書では扱っていくことになる。 昆虫がいなくなると何が問題なのか? 昆

    世界から昆虫が減少しつつある現代の状況について──『サイレント・アース 昆虫たちの「沈黙の春」』 - 基本読書
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    iww 2022/09/07
    あと半世紀くらいは地球に持っててほしいけど、実際は残り20年も怪しいかも知らんな
  • 宇宙飛行士の著者による、アポロ18号を主軸に据えあり得たかもしれない宇宙開発の歴史を描く宇宙SF──『アポロ18号の殺人』 - 基本読書

    アポロ18号の殺人 上 (ハヤカワ文庫SF) 作者:クリス ハドフィールド早川書房Amazonこの『アポロ18号の殺人』は、アポロ17号でアポロ計画が終わり、その後宇宙開発が停滞に入ってしまった現代とは異なり、アポロ計画が18号まで持続し、さらに米ソの戦いが宇宙、月でも繰り広げられるようになった「架空の宇宙開発史」を描きだす宇宙SF長編である。近年、長らく停滞していた宇宙開発がコストダウンや民間企業の参入が重なってにわかに盛り上がってきているが、それに呼応するように宇宙SFのヒット作も(たとえば『宇宙へ』『火星へ』など)出始めてきている。 作もいわばそうした流れに連なる宇宙開発ものの作品なわけではあるけれども、他作品と異なる作ならではの特徴は、著者クリス・ハドフィールドが、カナダ出身の引退した宇宙飛行士であるという点だ。しかも、カナダ人としてはじめて宇宙空間で船外活動を行い、2回のスペ

    宇宙飛行士の著者による、アポロ18号を主軸に据えあり得たかもしれない宇宙開発の歴史を描く宇宙SF──『アポロ18号の殺人』 - 基本読書
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    iww 2022/08/16
    『著者は昔の同僚やアポロの宇宙飛行士に自作を読んでもらったが、誰からも「こんなことはありえない」とは言われなかった』
  • 新型コロナを人類最後のパンデミックにするためには、何をすればよいのか?──『パンデミックなき未来へ 僕たちにできること』 - 基本読書

    パンデミックなき未来へ 僕たちにできること 作者:ビル ゲイツ早川書房Amazonこの『パンデミックなき未来へ』は、ビル・ゲイツによる、気候変動をテーマに地球人類全体が何をして、どこに予算を集中させなければいけないのかを書いた『地球の未来のため僕が決断したこと』(2021)に続く、感染症についての一冊である。 テーマとして共通しているのは、気候変動とパンデミックはどちらも「対策しなければ、このあと確実に人類の存続を脅かす脅威」になるという点にある。ビル・ゲイツはもちろんマイクロソフトの共同創業者でパンデミックや気候変動の専門家ではないが、彼が2000年に夫婦で立ち上げた世界最大の慈善基金団体ビル&メリンダ・ゲイツ財団では豊富な資産を用いて世界から病気や貧困を減少させることを目的に、最先端のテクノロジーや、コミュニティへの支援を行ってきた。 つまりビル・ゲイツは一つの国家や組織にとらわれず、

    新型コロナを人類最後のパンデミックにするためには、何をすればよいのか?──『パンデミックなき未来へ 僕たちにできること』 - 基本読書
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    iww 2022/07/10
    新型コロナがまた新しくなったとき、おそらくは新型新型コロナとは呼ばずに新型コロナのまま行くと思うので、未来永劫新型コロナが最後の新型コロナとなる
  • 社会に分断をもたらした「自分自身の努力と勤勉さ」で成功したという考え──『実力も運のうち 能力主義は正義か?』 - 基本読書

    実力も運のうち 能力主義は正義か? 作者:マイケル・サンデル発売日: 2021/04/14メディア: 単行この『実力も運のうち 能力主義は正義か?』は『これからの「正義」の話をしよう』が大ヒットした、マイケル・サンデル教授の最新作である。『それをお金で買いますか 市場主義の限界』など、毎回その時代に問われるべきテーマを取り上げてきたサンデルだが、そんな彼が今回注目したのが「能力主義」だ。これは、現代の「分断」の原因を的確に写し取っているように感じられて、非常におもしろかった。 分断というキーワード アメリカ大統領選におけるトランプバイデンの接戦、イギリスのEU離脱、ポピュリストたちのエリートへの怒りなど今世界中で「分断」がキーワードになっているが、その要因の一つがこの「能力主義」にあるとサンデルは語る。たくさん勉強や努力をして良い大学に入り、良い仕事と賃金を得る。それに成功した人はその

    社会に分断をもたらした「自分自身の努力と勤勉さ」で成功したという考え──『実力も運のうち 能力主義は正義か?』 - 基本読書
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    iww 2021/04/15
    運も実力のうち。 家ガチャも良かったし時代も良かった。 いろんな「○○氷河期」の隙間を縫って生きてきた。 やったぜ
  • 中国から発生した未知の病が人々をゾンビ化させる、予言的終末ロードノベル──『断絶』 - 基本読書

    断絶 (エクス・リブリス) 作者:リン・マー発売日: 2021/03/25メディア: 単行この『断絶』は、中国が発生源となる未知の病シェン熱が世界に蔓延し、文明が崩壊していくアメリカを描き出す終末ロードノベルだ。語り手は6歳の時に中国からアメリカへやってきた移民の女性で、長くニューヨークで暮らしていたが、徐々に崩壊していくその都市の写真をブログにアップし、崩壊の過程を記録していく。 いろいろとおもしろいところがあるけれど、まず目につくのは中国の深セン発の未知の病が世界中に広がっていく──という、今日の新型コロナの状況を彷彿させる世界観だろう。原書刊行は2018年だから、新型コロナ後に書かれたわけではない。 とはいえ、SARSからエボラまで致死的な感染症は溢れてきていたし、世界中の交通網が密になり、さらには家畜を密集させて少しでも効率をあげる手法や、抗生剤の乱用によってヤバい病気の蔓延は、

    中国から発生した未知の病が人々をゾンビ化させる、予言的終末ロードノベル──『断絶』 - 基本読書
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    iww 2021/03/30
    『原書刊行は2018年』 良い
  • ドーピングはいかに人体に作用するのか──『走る、泳ぐ、ダマす アスリートがハマるドーピングの知られざる科学』 - 基本読書

    走る、泳ぐ、ダマす アスリートがハマるドーピングの知られざる科学 作者: クリス・クーパー,西勝英出版社/メーカー: 金芳堂発売日: 2018/09/07メディア: 単行(ソフトカバー)この商品を含むブログを見るアスリートのドーピング使用が発覚してメダルが剥奪されるのはそう珍しいことではない。僕個人としては最近、そうしたニュースをみても、「アスリートにとっちゃ成績を出さないと死活問題だし、やるやつもいるよな」ぐらいにしか思わなくなっているが実際問題ドーピングはどのように人体に作用しているのだろうか。何をどうしたら走るのが早くなるのだろうか。だいたい、それは当に効果があるのだろうか。 どれぐらいの数の人間がやっていて、どのようにして検査しているのか。ドーピングを使用して身体を強化するのと、生まれつき遺伝子が異常に特定の身体機能を強化していた場合、それはズルなのか。なぜ人はドーピング者をズ

    ドーピングはいかに人体に作用するのか──『走る、泳ぐ、ダマす アスリートがハマるドーピングの知られざる科学』 - 基本読書
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    iww 2018/09/21
    『結局のところ、エリート・アスリートは全て遺伝子的には異常なのである。』
  • 数学的原理に裏打ちされたファンタジー小説──『精霊の箱: チューリングマシンをめぐる冒険』 - 基本読書

    精霊の箱 上: チューリングマシンをめぐる冒険 作者: 川添愛出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 2016/10/26メディア: 単行この商品を含むブログ (4件) を見る精霊の箱 下: チューリングマシンをめぐる冒険 作者: 川添愛出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 2016/10/26メディア: 単行この商品を含むブログ (4件) を見る書は副題にチューリングマシンをめぐる冒険とあるように、「チューリングマシン」について、その諸原理や応用問題を取り扱った一冊である。チューリングマシンとは計算を数学的にモデル化するために生み出されたもので──と説明を始めたらキリがないので一旦終わるが、それと同時に、書は「格ファンタジー」でもある。 ベストセラー『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』を筆頭として、ストーリー仕立てで現実の経営論や

    数学的原理に裏打ちされたファンタジー小説──『精霊の箱: チューリングマシンをめぐる冒険』 - 基本読書
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    iww 2016/10/30
    女子大生会計士の事件簿みたいな感じ
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