タイとベトナムの緩衝国となったカンボジア カンボジアの歴史と言ってすぐに思いつくのが、「アンコール王朝」と「ポル・ポト」だと思います。 前者はカンボジアの栄光の時代で、後者は悲劇の時代という点で、人々の関心を惹きつけてやみませんが、その他のカンボジアの歴史はあまり日が当らない傾向にあります。 15世紀から19世紀までのクメール王朝は、国家の基盤を農業から交易に移し、豊かな資源を背景に再度国力を広げようとしますが、内乱や分裂で国内がまとまらず、また東から迫るベトナムと西から迫るタイの間に挟まれてしまいます。 今回はカンボジアの「暗黒時代」の歴史のまとめです。 1. アンコールワットの放棄 アンコール王朝は現在のシェムリアップ周辺に栄えた王権です。 アンコール王権は9世紀頃から大規模な水利インフラの開発に乗り出し、開発により稲田を拡張し人口を拡大し、増えた人口を食わせるためにまた開発を行い稲田