毎日Twitterで読んだ本の短評をあげ続け、読書量は年間1000冊を超える、新進の歴史小説家・谷津矢車さん。今回のテーマは「格差」です。 【関連記事】 『あれよ星屑』から話題の『独ソ戦』まで――年1000冊の読書量を誇る作家が薦める「戦争」を知る5冊 わたしは中途で貧乏になってしまった家庭に育ったのだが、親の理解もあって大学を出ることができた。おかげでサラリーマン時代は地元優良企業に勤めることができたし、小説家となってからも(調べ物などの面で)非常に得をしている身分である。 と、今でこそそう思っているのだが、昔はそうではなかった。親からは「大学は出た方がよい」と聞かされ育ってきたから、世の中の親というものは「大学まで行ったほうがいいと口にするものなのだ」という前提がわたしの中にあったのである。そうした状況を指して、Twitterで知り合ったある友人が「谷津さんは学歴の面で恵まれていると思
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