どうしたら逃げてもらえるのか。1年前の西日本豪雨に直面した自治体の苦悩です。270人を超える犠牲者がでた平成最悪の豪雨災害。被害が拡大した背景には、避難勧告や避難指示が出されていたのに、危機感をもって避難した人が少なかったことがありました。あれから1年。一刻も早く逃げてもらうために今注目されているのが、ビジネスの力の活用です。命を守る新しい方法とはどのようなものなのでしょうか。(広島放送局記者 喜多祐介 経済部記者 梶原佐里 新井俊毅) “避難勧告や避難指示が出れば、タクシーが迎えにきて安全なところに連れて行ってくれる” こんな仕組みを実現しようと考えられたのが「避難保険」のアイデアです。 生みの親は県立広島大学の江戸克栄教授。企業のマーケティング(=市場戦略)分析が専門です。江戸教授は、西日本豪雨で多くの住民が逃げ遅れて犠牲になったことから、早く逃げてもらう仕組みをつくりたいと考えてきま