昨年9月に発行が始まったポリマー製の英5ポンド紙幣は、原料のポリマーペレットに微量の獣脂が添加されていることが判明して問題となった。英中央銀行では、今後の10ポンド・20ポンドポリマー紙幣の発行に向け、代替の添加物などに関する調査結果を公表し、意見を募集している(英中央銀行の発表、 The Registerの記事)。 添加物として使われている獣脂の成分は脂肪酸に由来するもので、ポリマー紙幣の原料となるポリプロピレンの生産過程で世界的に使われているものだという。ポリマー紙幣は世界30か国以上で使われているが、添加物についてはこれまで注目されていなかった。しかし今回の調査の結果、世界のポリマー紙幣はすべて獣脂の成分を含むことが判明したそうだ。 代替品としては植物油脂が検討されているが、大豆脂や菜種油、ヒマワリ油などは飽和脂肪酸が少なく、水素添加が必要だ。そのため、飽和脂肪酸を豊富に含むパーム油