東京大学大学院の斎藤幸平准教授による『人新世の「資本論」』は、コロナ禍で若者たちに響くメッセージを発信し、50万部を突破するベストセラーとなった。本書は2023年に英訳が刊行予定だ。それに先立ち、英紙「ガーディアン」がインタビューを行った。 ある日本人研究者によるマルクス主義と環境問題についての著書が、驚くほどのベストセラーとなっている。彼によれば、世界が資本主義に「緊急ブレーキ」をかけ、「新たな生き方」を見つけ出さない限り、気候危機は制御できないほど悪化していくのだという。 東京大学大学院准教授、斎藤幸平のメッセージはシンプルだ。それは、無限の利益を求める資本主義が地球を破壊しており、「脱成長」により社会の生産スピードを緩め、富を共有することだけが、そのダメージを修復できるというものである。 現実的に言えば、それはファストファッションなど、使い捨て可能な商品の大量生産・大量消費の終焉を意