日本のリベラルが負け続ける根本には、現在のリベラルの主流の進歩派リベラルがアイデンティティ・ポリティクスとマジョリティへの「原罪」意識の植え付けに終始していることがある。 西洋全般に共通する原罪は白人至上主義(優越主義)で、個別にはアメリカでは奴隷制、西ヨーロッパでは植民地支配、ドイツではナチスによる「劣等な人々」の殺害が加わる。 アメリカでは人口の1割強が黒人で、西欧も大量の移民を受け入れて多民族化している。また、キリスト教による同性愛差別の歴史もあったので、マイノリティに対する差別・迫害の贖罪をマジョリティに迫る運動が支持を得る下地がある。 このポストモダンの政治的局面では、前述のようにプロレタリアのアイデンティティを基礎とした社会主義運動に代わる、マイノリティ(少数民族、同性愛者、障害者、女性)ないしは植民地化された住民による「アイデンティティ・ポリティクス」がその中核をなす。 一方