生きにくさや弱さ、繊細さで苦しんでいる人にはとても救いになる本だろう。中島義道はそれは「いい子」や「善人」であることに原因をもとめ、その破壊策や脱出法を教えてくれる。中島義道自身は逆噴射しすぎだと思うが(笑)。 「「いい子」とは、大人たちが結託して作ってきた一つの犠牲者なんだ」 このからくりがわからないと、「いい子」は一生親や世間の犠牲者になり、生きにくさやつらさを抱えて生きることになるだろう。つまりは「いい子」というのは他人の都合や利己主義に徹底的に迎合するように編み出された親や他人の合成物なのである。ぜんぶ他人の欲望の都合や親の世間体などの欲望でできあがっている。 「きみは自然にしていると、いたるところで他人と対立してしまうことを知っている。だが、きみは他人と対立することが怖い。だから、自分を押し殺してまでも他人に合わせようとする。自分が傷つかないように」 「善良な市民は「ひとに迷惑を