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ブックマーク / ueshin.blog.fc2.com (3)

  • 『カイン―自分の「弱さ」に悩むきみへ』 中島 義道 | 考えるための書評集

    生きにくさや弱さ、繊細さで苦しんでいる人にはとても救いになるだろう。中島義道はそれは「いい子」や「善人」であることに原因をもとめ、その破壊策や脱出法を教えてくれる。中島義道自身は逆噴射しすぎだと思うが(笑)。 「「いい子」とは、大人たちが結託して作ってきた一つの犠牲者なんだ」 このからくりがわからないと、「いい子」は一生親や世間の犠牲者になり、生きにくさやつらさを抱えて生きることになるだろう。つまりは「いい子」というのは他人の都合や利己主義に徹底的に迎合するように編み出された親や他人の合成物なのである。ぜんぶ他人の欲望の都合や親の世間体などの欲望でできあがっている。 「きみは自然にしていると、いたるところで他人と対立してしまうことを知っている。だが、きみは他人と対立することが怖い。だから、自分を押し殺してまでも他人に合わせようとする。自分が傷つかないように」 「善良な市民は「ひとに迷惑を

  • なぜ知識社会には物質と労働の軽侮がおこるのか | 考えるための書評集

    社会でひとつのことに価値がおかれるとその原理にしたがって社会は秩序・階層づけられる。その価値をもつ者が社会の権力者・統治者として祭り上げられ、その価値にしたがった序列が社会にいきわたる。 物質が尊ばれた時代は、金持ちやモノをたくさんもつ者が権力をもったり尊称される対象となる。社会はその価値が最大化される方法とテクノロジーを編み出し、最適化される。 物質の時代には人とモノが一箇所の都市に集まるように航路や鉄道、車道が全国にくまなくはりめぐらされる。モノを生産し、流通するしくみが社会の至上目的になり、物質にあふれた時代を生み出す。モノをつくりだす労働と勤勉に価値がおかれ、人々はその物質過剰社会にむかって規律づけられる。 知識は物質社会において物質の生産や流通の効率化のための道具として発達する。印刷技術、電話、ラジオ、映画音楽、マンガ、テレビ、インターネット。 物質を生産・流通するための道具と

  • 『他人を見下す若者たち』 速水 敏彦 | 考えるための書評集

    ぶれている。根拠のない有能感によって人を見下す若者を批判しようとしているのだが、そもそも有能感や自尊心といったもの自体が根拠のないものといえるから、若者の人の見下した態度を責める根拠にはなりえない。優越感や自尊心といったものは、なにを根拠に、またはモノサシで立ち上げられるのか、ひじょうにむずかしい。 このは著者の若者に無視された経験をもとに実証研究がまぶされた、科学的装いをまとった「ウサ晴らし」である。「おまえたち、若者はなんでそんなにエラソーなんだ」「根拠はあるのか」ということである。要は著者がかかわる「学校をないがしろにするのはけしからん」ということだが、学校なんてもとからサービス業なはずだし、子どもは大人を尊重するがゆえに大人たちとべつの「場」をつくり、大人は「違う人」だと切り分けるから、大人はいろんなところで相手にされないと思うんだけどな。 他人を無視した見下す若者の出現を、悲

    obsv
    obsv 2012/01/30
    "学生のあいだに専業的消費者としてのかれらは王侯的な有能感をじゃぶじゃぶとまとわりつかされるのである"/"この有能感をひじょうに色濃くもっており、学校での有能/無能というモノサシはすでに効力を失っている"
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