今年1月、サイボウズ社の青野慶久社長が夫婦同姓・別姓を選べる「選択的夫婦別姓」の実現を求めて、国を相手取り、東京地裁に提訴した。結婚などで姓が変わった後も職場で旧姓を使い続ける動きは時代とともに広がってきているが、企業では旧姓使用を希望する人がどの程度認められ、どう運用されているのか。「職場での旧姓使用」の実態と理想を探るべく、サイボウズの人事部に取材した。 広がる「職場の旧姓使用」 結婚などで姓が変わると、さまざまな窓口に行き、煩雑な名義変更手続きをすることが必要になる。運転免許証、銀行口座、マイナンバーカード、クレジットカード……。名義変更には時間だけでなく、お金がかかる場合も。サイボウズ社の青野社長は自身のブログ上で「所有している株式の名義変更に81万円もかかった」と、具体的に生じた経済的不利益を語っている。 姓が変わることで、所属している会社でも人事・総務部門で何かしらの変更手続き