Hitler's Scientists 英国のジャーナリストJohn Cornwellさんの著書「Hitler’s Scientists」は、ヒットラー政権下のドイツの科学とそれを支えた科学者についてのレポートで、科学者が本質的に政権と一体化する宿命を背負っていることを再認識させる本だ。この本によると、様々な分野の中でも、医師・医学者が最もナチスを熱狂的に支持したようで、ピーク時には驚くことにドイツ医師会員の45%がナチ党員になっている。これは、例えば弁護士会の25%と比べると倍近く、医師達が圧倒的な政権支持基盤を形成していたことがわかる。 この本はもちろん、ナチスの原爆開発とハイゼンベルグの果たした役割や、毒ガスの開発とドイツの化学などあらゆる分野にわたる本だが、医学出身の私にとってはやはり、当時収容所で行われた人体実験について述べた章が最も印象深く、他人事ではないと深く反省さされた