時の人から、問題の人に。 今年1月のサンダンス映画祭で、観客賞と審査員賞をダブル受賞した「The Birth of a Nation」は、激しい競売合戦の結果、フォックス・サーチライトが1,750万ドルという記録的金額で配給権を獲得し、話題をさらった。監督、脚本、主演を兼任するのは、今作で監督デビューを果たしたネイト・パーカー。彼は、4月のシネマコンでも、“ブレイクスルー・ディレクター・オブ・ザ・イヤー”を受賞している。 映画は1831年、ヴァージニア州で黒人奴隷の反乱を率いたナット・ターナーの伝記物。主人公も、主要キャストの多くも黒人だ。ちょうど時を同じくして、オスカーの演技部門候補者全員が2年連続で全員白人だった「白すぎるオスカー」批判が起こっていたことから、次のオスカーまでまだ1年以上あるにも関わらず、「来年は『The Birth of a Nation』がある」と、期待が寄せられて