SysMLは、“OMG Systems Modeling Language”の略称であり、2006年7月にOMG (Object Management Group)により仕様が策定されました。2010年8月時点での最新バージョンは1.2になります。 図 1に示すように、SysMLはUMLの言語仕様の一部を再利用した部分と、SysMLのために新たに拡張した部分から構成されています。 図 1 SysMLとUMLの関係 UMLのうちSysMLでは利用されない部分がかなりあり、コンパクトな仕様となっています。また、ダイアグラムの種類は図 2の通りです。 図 2 SysMLダイアグラムの種類 定義されているダイアグラム(図)は全部で9つと、UMLの13個より少なくなっています。 パッケージ図・ユースケース図・シーケンス図・ステートマシン図はUMLと同じです。 ブロック定義図はクラス図の拡張、内部ブロ
前回は、システム・モデルを作成することの重要性を解説した。今回は、システムのモデル化を表現する手段である「SysML」と、モデルの品質を確認する手段である「DSM」(Dependency Structure Matrix)を紹介する。DSMの説明に際しては、"良いシステム構造"と"悪いシステム構造"を対比させながら、製品の品質を高める方法について示す。 製品の品質を確保する手段として、システム構造の可視化が重要である。製品は、個々の独立した機能部品(モジュール)が積み重なって構成されている。独立したもの(モジュール)を連携させるために、これらを接続するインタフェースが必要になる。インタフェースを規定し、個々のモジュールに分割するルールを決めているのが、アーキテクチャである。 航空宇宙や造船系の開発では、システム・エンジニアリングの考え方に沿って、大規模・複雑化した製品設計に対して、モジュー
モデリングを成功させるために――持続可能なモデリングを目指して:プロジェクトを成功させるモデリングの極意(6)(1/9 ページ) 今回はモデリングで失敗しないだけでなく、さらにモデリングを成功させ、継続するための方法を探ります。失敗しないコツが盾であるならば、成功と持続のコツは矛に相当しますので、これらを学んでモデリングを持続可能(sustainable)なものとしていきましょう。 はじめに 連載の第1回と第2回ではモデリングの目的や手法、ツールを見てきました。続く第3回ではUMLやSysMLの欠点やモデリングの種類、開発プロセスとの関係を見てきました。そして第4回と第5回ではモデリングの失敗例から学んだコツを探り、第5回の後半ではモデリングの実態調査の結果を見てきました。 ・連載:プロジェクトを成功させるモデリングの極意 前回までの失敗しないための方法がモデリングの防御をする「盾」である
UMLを開発現場で使いこなすコツ (1)階層記述をするコツ 各組織や各プロジェクトまたは各個人で、UML図を何らかの創意工夫で階層記述しています。一方、モデルは分かりやすさが一番大事です。その階層記述が万人に分かるようになっていれば、それはUMLを使いこなしていると言っていいでしょう。 一番多く見かける階層記述で、一番分かりやすいと思う階層の記述方法は、サブグラフに分けるものでしょう。これはグラフの疎結合なところでサブグラフに分割するものです。その考え方を図1に示します。 ここで重要なのは図1のA→Bの概略図で、これを提供して管理することです。A1-A2とB1-B2-B3の2枚の詳細図だけでなく、概要図も入れた3枚にすることが必要です。 図2にあるような巻物のようなモデルの記述方法は良くないでしょう。フォントを小さくして無理やり1枚にするのはもっての外です。逆に階層記述が3階層以上になるの
モデリングツールめぐり UMLやSysMLを活用できないエンジニアのための実践的活用術(前編)では、ソフトウェア設計を行うために必要不可欠な技術である「モデリング」の手法を紹介しました。後編ではその手法を実装しているツールを見ていきましょう。この連載「プロジェクトを成功させるモデリングの極意」では、モデリングツールの使い方そのものには触れませんので、簡単に紹介したいと思います。 UML/SysMLモデリングツール UMLモデリングツールは多く存在しており、製品版やフリーのものから、統合開発環境にUMLツールが同梱されているものもあります。SysMLツールも一緒に紹介します。 製品版としては「astah*」(コミュニティー版もあります)や「Enterprise Architect」、「Rhapsody」があります。 他にも製品版のツールはありますが、この3つが多く使われています。また ast
UMLやSysMLを活用できないエンジニアのための実践的活用術(前編):プロジェクトを成功させるモデリングの極意(1)(1/6 ページ) モデリングの手法やツールの基礎を覚えるだけでなく、モデリングの目的やその本質をつかんで、ソフトウェアの開発現場で実際に役立つように基本を学んでいきましょう。 はじめに 本連載ではソフトウェア設計を行うために必要不可欠な技術であるモデリングについて紹介していきます。第1回である今回は「モデルとは何か?」から始め、モデルの目的からモデルに求められるものを前編で、モデリング手法やツールを後編で紹介したいと思います。 モデルとは モデルとは物事を分かりやすく説明するために、不要な部分を捨て、注目するところのみを記述したものです。このモデルという用語は広く使われている用語で、「マクロ経済モデル」や「流体モデル」などのように一般の用語となっています。 ソフトウェア開
サポート宛にいただきましたご質問の要約です。 ○ご質問 SysML要求図において要求要素を拡張したいと考えています。 たとえば、SysML の要求をさらに拡張し、別のステレオタイプが付いた要求を作成したいです。 (表示上で<<extendRequirement>>が<<myRequirement>> などになったものをイメージしています。) ○回答 EA11以降をご利用の場合、MDGテクノロジー・プロファイルを作成することで、ご要望の SysML の requirement を拡張した SysML の extendedRequirement, functionalRequirement などと同様の拡張要素を定義することが可能です。 プロファイルに加え、さらにMDGテクノロジーの定義を行うことで、ツールボックスへの表示やクイックリンクの定義などもできるようになりますので、MDGテクノロジー
開催情報 複雑化する統合システム(SoS=System of Systems)開発において今後有力な技術としてモデルベースシステムズエンジニアリング(MBSE)が注目されています。IPA/SECでは2013年8月に「モデルベースシステムズエンジニアリング導入の手引き」を公開し、普及展開活動を行っています。本セミナーでは、午前の部でシステムズエンジニアリングとMBSEの概要を学び、午後には実際にチームで演習問題を解きながらハンズオンでシステムズエンジニアリングを体感し、モデルベースで考えることへの理解を深めていただきます。 講演資料を公開しました。プログラム概要欄よりダウンロードいただけます。 セミナー動画を公開しました。プログラム概要欄より視聴いただけます。 主催
モデルベースシステムズエンジニアリング(MBSE) 〜MBSE導入のポイントと、ロボット開発適用事例の紹介〜 開催情報 システムズエンジニアリングとは、「製品やサービスなどのシステムの開発を成功に導く」ことを目的として、システム開発の全体最適を図るための技法、そのためのプロセスを定義したものであり、これをモデルベースアプローチで進めるモデルベースシステムズエンジニアリング(MBSE)は、最近では開発だけでなく生産管理やサプライチェーンにまでその対象を広げつつあります。 本セミナーは、上流品質技術強化として、MBSEを初めて導入しようとする技術者からその管理者の方、またシステム開発の品質、生産管理に携わる方も対象に、MBSEの基礎から、ロボット開発プロジェクトの導入事例紹介までをトピック的に学んで頂きます。 講演資料を公開しました。プログラム概要欄よりダウンロードいただけます。 セミナー動画
Welcome to the Model-Based Systems Engineering (MBSE) Wiki. This wiki supports the activities of the MBSE Initiative that is sponsored by the International Council on Systems Engineering ( INCOSE) and the OMG Systems Engineering DSIG ( OMG SE DSIG). Refer to the MBSE Initiative Overview for a brief summary. The INCOSE SE Vision 2020 ( INCOSE-TP-2004-004-02 September, 2007) defines Model-based syst
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