庶民には損ばかり? TPPが最も利益を生むのはこうしたモノの貿易ではない(加州ロングビーチの港) Bob Riha Jr.- REUTERS かつては私も自由貿易協定はいいものだと思っていた。だがそれは、アメリカの経済成長の恩恵をごく少数の富裕層が独占し、その他すべてのアメリカ人の賃金が伸び悩むようになる前のことだ。 1960~1970年代に合意した貿易協定は、世界のアメリカ製品への需要を飛躍的に増やし、アメリカ国内の労働者に支払われる賃金も上がった。 しかし今の貿易協定は、アメリカ製品への需要を高めることは同じでも、企業や金融機関の利益を膨らませるばかりで国内労働者の賃金は上がらず、低いままだ。 【参考記事】共和党エスタブリッシュメントはなぜ見捨てられたのか 実のところ、近年の貿易協定は、輸出入という意味での貿易というよりグローバルな投資が主たる対象になっている。 アメリカの大企業は、も