「ラブ・コネクション(ラブコネ)」。恋愛感情を巧みに利用して、無報酬で覚せい剤密輸などの運び屋に仕立てる手口を、税関当局はそう呼ぶ。先月も、関西国際空港で運び屋の71歳の女が摘発された。いずれもナイジェリア人の男が口説き役で、標的は日本人女性。なぜ、だまされるのか。【酒井雅浩】 ◇関空で71歳「運び屋」に 71歳の女は大阪市淀川区の無職、小岩貞子被告。先月8日、エジプトから帰国した際、税関の手荷物検査で、二重底にしたスーツケースの中から、覚せい剤約3.9キロ(末端価格約3億5200万円相当)が見つかり、覚せい剤取締法違反(営利目的密輸入)罪で起訴された。 摘発した大阪税関関西空港税関支署によると、小岩被告は、37歳のナイジェリア人の男に「結婚して」と口説かれて会いに行き、別れ際に男からスーツケースを持たされたと話した。「覚せい剤が入っているとは思わなかった。疑っていなかった」と否認している