人材不足が深刻な介護現場で、職員の負担軽減につながると注目される移乗介助用の「介護ロボット」。当初は国や道の補助金も活用できたため十勝管内でも導入が進んだが、“持ち腐れ”となっている事業所も出てきている。単一作業にしか力を発揮しないロボットと、複数の業務を並行してこなさなければならない現場とのミスマッチがあることが要因だ。 移乗介助用ロボットは、主にベッドから車椅子などへの高齢者の移動や、入浴介助の際に使う。帯広市内では、東京のベンチャー企業が開発し、物を持ち上げるときの筋力を最大25キロ分補助する「マッスルスーツ」を2016年度に3事業者が導入。うち地域密着型介護老人福祉施設「にれの木」(西22南1)では、国の補助金を全額使って2台を購入した。 だが職員の反応は良くなかった。現場は、入所者の移乗介助以外に食事や排せつなど複数の業務を、時間を置かずに行わなければならない。脱着に数十秒かかる