“素っ裸の少年魂”。 『動くな、死ね、甦れ!』に日本人宝石商役で出演した演出家清水柳一氏は、DVD=BOX所収のパンフレットに「カネフスキー監督に“殺られる”まで」と銘打った素敵な愛に溢れた回想記を寄稿されている。そこで監督ヴィターリ・カネフスキーを評して差し出されたのが、冒頭に掲げた鮮やかな一言だ。 素っ裸の少年魂! それは実際、理不尽な投獄をかいくぐり31歳から39歳までという溌剌とした人生の実りを謳歌すべき8年間を棒に振った監督の、それでも萎れぬ人となりのみならず、その彼が54歳でついに放った渾身の快作『動くな、死ね、甦れ!』の神髄をもみごとに射抜いてしまっている。 思い込んだら突進する。がむしゃらが微笑ましく、やがて涙ぐましくもある掛け値なしの在り方。そんな磁力は少年魂の化身パーヴェル・ナザーロフ――カネフスキーの分身としてその少年時代の記憶を銀幕に刻み付けるしなやかな肉体と心を得