母親に寄り添うチンパンジーの赤ちゃん。チンパンジーと人間はDNAの約99%を共有している。(PHOTOGRAPH BY ERIC GEVAERT, ALAMY) 24時間態勢で赤ちゃんの世話をし、その後も10年以上にわたって濃密な関係を続ける。あなたにも覚えがあるだろうか。人間の母親と同じように、チンパンジーの母親も膨大なエネルギーを費やして、子どもを健康なおとなに育てあげる。 近年、新たな研究によって、チンパンジーの母親像がより明らかになってきた。ここでは昨年から今年にかけての3つの研究成果を紹介しよう。 こうした研究成果は、絶滅危惧種であるチンパンジーを守るうえで助けになるだろう。1900年には約100万頭いたチンパンジーは、生息地の破壊、狩猟、病気などにより、現在では17万2000~30万頭と、少なくとも70%減少している。 おとなになっても親密、母と息子の絆 ウガンダの熱帯雨林から