広瀬川に面した仙台市青葉区追廻地区にある江戸期の石垣が、東日本大震災などで崩れたまま放置されている。増水時に川の流れが変わり、地盤がえぐられる危険性があるとして対岸の住民らが早期修復を要望しているが、広瀬川を管理する宮城県は消極姿勢。土地を所有する国や公園を整備予定の市も静観の構えだ。 石垣が崩れているのは大橋から南に約200メートルの地点(地図)。約420メートル続く石垣が幅約19メートル、高さ約4メートルにわたって崩落している。以前からあった崩落箇所が震災で拡大した。 石垣は市指定文化財「奥州仙台城絵図」(1645年)にも描かれ、仙台城と同時期の造営とみられる。場所によって石積みの工法が異なり、修復を繰り返した様子がうかがえる。市文化財課は「仙台城の最も外側の石垣で、歴史的な遺構」と評価する。 対岸の片平地区連合町内会は、大雨による増水時に崩れた石垣で流れが変わり、片平地区の地盤