民主党の菅直人前首相は30日、福井県敦賀市内で記者団に対し、次期衆院選について「『脱原発』が大きな争点になるだろうし、なるべきだ」と述べ、同党として「脱原発」を掲げるべきだとの考えを示した。平成37年度までに「原発ゼロ」にする「脱原発基本法」の制定を目指していることについては「次期衆院選で全国会議員、候補者に見解を問いただしたい」と強調した。党内での「脱原発」政策の取りまとめに関しては「内閣が決めるまで党が決めない必要はない」と述べ、政府に先行して行う可能性を指摘した。
民主党の菅直人前首相は30日、福井県敦賀市内で記者団に対し、次期衆院選について「『脱原発』が大きな争点になるだろうし、なるべきだ」と述べ、同党として「脱原発」を掲げるべきだとの考えを示した。平成37年度までに「原発ゼロ」にする「脱原発基本法」の制定を目指していることについては「次期衆院選で全国会議員、候補者に見解を問いただしたい」と強調した。党内での「脱原発」政策の取りまとめに関しては「内閣が決めるまで党が決めない必要はない」と述べ、政府に先行して行う可能性を指摘した。
東京電力福島第一原発事故で、本紙は、菅直人前首相が三月十五日未明に東電本店に乗り込んだ際の訓示の記録全文を入手した。現場からの撤退を打診した東電側に「放棄したら、すべての原発、核廃棄物が崩壊する」と警告し、「命を懸けてください」と迫っていた。菅氏は本紙のインタビューで「東京に人がいなくなる」ほどの強い危機感があったと明かしていたが、訓示の内容からもあらためて裏付けられた。 (宮尾幹成) 第一原発では当時、1、3号機が水素爆発を起こし、2号機も空だき状態の危機が続いていた。政府関係者の記録によると、菅氏は「(撤退すれば)チェルノブイリ(原発の事故)の二~三倍のもの(放射性物質の放出)が十基、二十基と合わさる。日本の国が成立しなくなる」と危機感をあらわにした。 その上で、「命を懸けてください。逃げても逃げ切れない」と、勝俣恒久会長や清水正孝社長(当時)ら東電側に覚悟を要求。「六十歳以上が現地に
印刷 関連トピックス菅直人 「なんですか、これは。突然の話ではないですか」。菅直人首相との27日の会談で、放射性物質を含む廃棄物の「中間貯蔵施設」を県内に整備するよう要請された福島県の佐藤雄平知事は声を荒らげた。「非常に困惑している。震災から6カ月間、猛烈に苦しんでいる福島県には極めて重い問題です」。怒りを押し殺した顔で首相にそう答えた。 県庁内で行われた会談の1時間前、知事の表情は穏やかだった。念願だった政府と県による「福島復興再生協議会」の初会合が開かれたからだ。首相はこの席で、「原子力を推進してきた国の立場を含め、おわびする」と謝罪。知事は報道陣に「今日までの総論と感じた」と評価していた。 菅首相は、長期間ふるさとに帰れない住民が出る見通しも「宣告」した。佐藤知事は会談後、「そりゃショックを受けるだろうね。一日も早く帰りたいと思っているわけだから」と住民の気持ちを代弁した。 関
◇「250」引き上げ3日後 安全確保、防衛相が阻止 自衛隊が東京電力福島第1原発の上空からヘリで放水した3月17日、東京・市ケ谷の防衛省に首相官邸から一通の文書が届く。タイトルは<線量限度の引き上げについて>。政府はその3日前、緊急作業時の被ばく線量の上限を100ミリシーベルトから250ミリシーベルトに引き上げたばかりだった。それをさらに国際放射線防護委員会(ICRP)の基準に合わせて倍の500ミリシーベルトにする--。 第1原発は爆発が続き、高線量の中での作業が必要だった。作業員の安全を守る立場の厚生労働省にすれば250ミリシーベルトが「ぎりぎりのライン」。しかし、細野豪志首相補佐官(当時、現原発事故担当相)から「250では仕事にならない。役所をまとめてほしい」と要請を受けた長島昭久前防衛政務官は関係省庁にその意向を事前に口頭で伝えていた。 15日には第1原発から約50人を除いて「撤退」
菅首相は6日、原子力発電所の再稼働に向けた新たなルールを策定する考えを打ち出した。海江田経済産業相の働きかけによってすでに再稼働受け入れを表明した自治体もある中で、唐突に再稼働の判断を先送りする姿勢に転じたものといえ、経産省では戸惑いの声が上がっている。 海江田氏は、玄海原発の再稼働を要請するため6月29日に佐賀県を訪れ、古川知事から容認に前向きな姿勢を取り付けた。8日の県民説明会や11日の県議会特別委員会を経て、今月中旬にも知事が再稼働を表明する期待が高まっていた。 同省はテスト導入を発表した6日午前の段階では、「テスト終了が再稼働の条件ではない」と説明していただけに、省内では「海江田氏はハシゴを外され、メンツもつぶされ、怒り心頭だ」(幹部)との声が出ている。
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