理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの小保方晴子氏が開発したとされる刺激惹起性多能性獲得(STAP)幹細胞を巡って、騒乱が続いている。最初は、若手女性*1研究者の大発見と言う物珍しさからの報道が続き、次に小保方論文の信憑性が疑われはじめた*2。これは発見自体が間違いであった可能性と、論文の根拠が捏造であった可能性の二つの意味がある。さて、こういう問題に関しては暗黙の作法「(´ー`)フーン」があるのだが、それをわきまえていない人が多いようだ。 1. 研究のサイクル この世には研究のサイクルと言うものがある。大雑把に、研究者は何か発見をし*3、それを論文を書いて専門雑誌に投稿を行い、編集部が研究が雑誌の趣旨と合致しているか判断したあとに、匿名の専門家である査読者が“もっともらしい”かを審査を行い、そこで問題がなければ受理される。こうして掲載された論文が他の研究者の目に止まると、追試を含む
大半の人から数学は無味乾燥なものだと思われている。 いったい数学科の大学院まで行く人は何をやっているのだろうか。 英語の掲示板に「これ以上ない!」 というくらい上手い解説を見つけたので紹介しよう。 (ちなみに原文はこちら) ---- 質問: 数学科の大学院生は毎日何をして過ごしてるの? ただ単に机の前に座って考えているだけ? -- ヤーシャ=バーチェンココーガン, MIT 大学院生 回答: たいていの場合、数学の大学院に行くっていうことは、 本や論文をたくさん読んで何がどうなってるのか理解することだ。 難しいのは、数学の本を読むっていうのは、 ミステリー小説を読むのとは違うし、 歴史の本を読んだり、ニューヨークタイムズの論説を読むのとも、 違うって言うことなんだ。 一番の問題は、君が数学の最前線にたどり着くまでの間、 概念を説明する言葉さえほとんど存在していないっていうことだ。 例えて言え
2018年10月追記:再び論文のpdfを収録しているサイトの構成が変わりました。記事で出てくる論文へのリンクは下記の通りです。英語のページに飛ぶ場合もありますが、ダウンロードできるpdfは日本語です。 阿部一氏の論文 ラブホ景観論の論文(1991) https://doi.org/10.4157/grj1984a.64.4_265 その前提となる景観論の論文(1990) https://doi.org/10.4157/grj1984a.63.7_453 続編となる富士山の論文(1992) https://doi.org/10.4157/grj1984a.65.3_238 活断層論文(1987) https://doi.org/10.4157/grj1984a.60.10_667 松沢光雄氏の新宿繁華街の論文(1965) https://doi.org/10.4157/grj.38.260
🌻ナょωレよ″丶)ょぅすレナ🌻 @rna 割れ窓理論は統計解析したら否定されたんじゃなかったっけな… RT: @Yomiuri_Online: 「割れ窓理論」で犯罪防止、取り締まり強化へ: http://t.co/tigAFFdk 2011-12-26 09:11:50 エミコヤマ @emigrl 「割れ窓理論」の「割れ窓」ってのは比喩であって、実際に取り締まられるのはホームレスとか酔っ払いとかたむろする若者だよ。大元の論文にはっきり「物乞いをする人は最初の割れ窓である」って書いてある。 2011-12-26 09:30:22 居留守 @biribiri_amido 窓を割るという快楽犯的なイメージと生きてくための物乞いが一緒にされるのは理不尽だと思いますが、(アメリカで物乞いが軽犯罪にあたるなら)論文では単に荒廃した地域で起こる軽犯罪をまとめているということなんでしょうか RT @e
2004年9月18日、ソウル大学校ジェンダー研究所と社会史研究会共催のセミナーでおこなった報告の原稿に、2005年6月12日に「追記」を付加した。 日本軍の慰安所政策について 永井 和 (京都大学文学研究科教授) この報告は、永井和「陸軍慰安所の創設と慰安婦募集に関する一考察」『二十世紀研究』創刊号、2000年をもとに、一部補足したものである。 はじめに 問題の所在 Ⅰ.警察資料について Ⅱ.陸軍慰安所の創設 Ⅲ.日本国内における慰安婦募集活動 1.和歌山の誘拐容疑事件 2.北関東・南東北での募集活動 Ⅳ.地方警察の反応と内務省の対策 おわりに 補論:陸軍慰安所は酒保の附属施設 追記(2005年6月12日記) 注 はじめに はじめまして、永井和と申します。日本の京都大学で日本現代史を教えております。しばらくの間、おつきあいをよろしくお願いいたします。まず、この研究会にお招きいただき、報告す
我々は直接に過去を知ることはできない。 人間の行動や思考が残したさまざまな痕跡を手がかりに、過去を再構成する以外にそれを知る術を持たない。 そのようにして再構成された過去を歴史といい、再編成の手がかりとした痕跡を史料という。 もとより人が残した痕跡は〈書かれたもの〉に限らないが、古文書、古記録をはじめとする文献史料は、長きにわたって史料のなかでとくに優越した地位を占めてきた。 以前は限られた人しか見ることができなかった文献史料が、一部ではあるが歴史資料集として編纂され、刊行物として活字化されることを経て、多くの人が見ることができるようになった。 加えて近年、そうした刊行物はインターネット上で誰でも検索/参照できるようになっている。 以下では、自宅で誰でも(基本的に)無料でアクセス可能な歴史史料を紹介する。 ここで紹介する歴史資料集は、大きく2つに分けることができる。 A.ひとつは各文書・記
100冊読む時間があったら論文を100本「解剖」した方が良い 読書猿Classic: between / beyond readers の続きというか、補遺。 大学等に所属してる人は、そこの図書館と契約してる有料データベースを駆使されたし(使い方はガイダンスがあったりするし、図書館のレファレンスでも教えてくれるだろう)。っていうか、言うまでもないだろ、そんなことは。 ここではフリー(市井)の人が使える手を考える。手はたくさんあるが、いっぱいあっても混乱するだろうから、少しだけ。必要なら追記していく。 とりあえず3つのケースに分けてみた。 1.読みたい論文が決まっている、タイトルも分かっている 2.読みたい分野、知りたいジャンルくらいは決まってる 3.何からはじめればいいのか、さっぱりわからん 番外.論文なんて本屋で買えるぜ 1.読みたい論文が決まっている、タイトルも分かっている A.まずは
明日から京大に異動になります。阪大には6年間、助/准教授として働きましたが、本当に楽しい6年間でした。 最後に日本の社会学に対する危惧を一つ述べておきます。日本の社会学の特徴は、アカデミズムの軽視だと思います。すなわち、学会報告や学会誌を軽視しているということです。学会発表もせず、学会誌に論文を投稿もせず、それでも社会学者づらして本を出版したり、さまざまなメディアで発言することができるのが、日本社会学の実情です。このようなことが起きるのは、学会報告や学会誌が、新人の登竜門として位置づけられており、その評価が低いからだと思われます。エライ先生は本しか書きません。エライので査読を受ける必要もありません。こっそり紀要などに考えを公開することはありますが、人から評価されるのは恐ろしいので、学会誌には絶対投稿しません。出版社も本が売れさえすればいいので、研究の水準や主張の真偽は気にしません。エライ先
最近、DrexelのコースでEssay Writingのトレーニングをしていて思ったことを少し。 ふと、今まで日本で受けてきた教育の中で(小学校〜大学の6+3+3+4年)自分の考えを伝えるための文章を上手に書く練習というのを、あんまりした経験がないんじゃないか、と思ったんですよ。 *1 で、「小中学校の作文の時間って、そういえばなんだったんだろう」と思い返してみた、という話です。 以下の叙述は、紅さん個人の初等&中等教育の経験*2に基づいて書かれており、必ずしも一般化できるものではないかもしれないです。 世の中には「作文教育の神」みたいな先生もいれば(いるらしい)、国語教諭の勉強会なんぞにいけば体系化された方法論が議論・共有されている(ことを望みたい)みたいですが、残念ながらそんな方々に教わった経験はないもので… 作文は「書いたらおしまい」の時間だった、気がする まず、紅さんには「誰かに作
英語で論文を書かなくてはならない研究者(たまごを含む)のために、英語論文の表現例文集がたくさん出版されている。 というのも、論文には、その構成にも言い回しにも〈定形〉がある。 自分の頭で一からひねり出すよりも、おきまりのパターンを活用した方がはやく良い結果を得られる。 普段、論文を書いていない、というか今まで書いたことがない人は、論文の書き方についてストックがないのだから、例文集から「借文」した方が効率的である。 本当は論文を書くのに先立って、他人の書いた論文をある程度読めば、そうしたパターンは自然に頭に入ってくるものである。 しかし「あるべき論」だけでは地球は回っていかない。誰もが夏休みの宿題を7月中に終わらせる訳ではないのだ。 以下、「借文」できるよう、論文に使われる表現・例文を集めてみた。 あまりボリュームがあっても使いにくいだろうから、数は絞りに絞ってある。 より多くの表現が必要な
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