ホーキング博士はケンブリッジ大学の大学院生の時、ALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断されたといいます。当時、ALSは発症してから5年程度で死に至る病気と考えられていました。人生これからという若いときにそのような悲劇に見舞われ、どんなに落胆しただろうかと思うと、その悲しみたるや想像にかたくありません。 ただ一方で、ホーキング博士は当時の心境を振り返り、「未来には暗雲が立ち込めていたが、驚くことに以前より人生を楽しめるようになり、研究も進むようになった」(『3分でわかるホーキング』より)とも語っています。 ALSと診断された2年後に結婚し、子どもができて家庭を持ち、やがてケンブリッジ大学の教授になりました。そして、「車椅子の物理学者」として広く世の中にその名が知られ、2018年に亡くなるまで50年以上の研究活動を続けました。難病と戦いながら生きた人生でしたが、研究者として目覚ましいその活躍を考え