ヨーロッパのクラシック音楽でいちばん見かけがスチャラカした曲といえば、なんといっても「おもちゃの交響曲」でしょう。カッコー笛や水笛を好き放題に鳴らす狼藉ぶりは大らかでいいですね。しかし、そのウケのよさとは裏腹に、この曲を作曲した人は誰なのか、今ひとつハッキリしていません。恥ずかしくて名乗り出ることができなかたんでしょうか?また、この曲のタイトルはドイツ語ですと「Kindersymphonie(子供の交響曲)」といって、「Spielzeugsymphonie(おもちゃの交響曲)」とはいいません。このへんのいい加減さも、まったりしていていいですね。 「おもちゃの交響曲」が出来て間もない頃発売された楽譜には、ヨーゼフ・ハイドン(1732-1809)の作曲と記されていたそうです。この人はハンガリー系の名門貴族エスターハージー家に仕えていた音楽家で、オーストリア=ハンガリー帝国の初の国歌(正確には皇