地球から640光年離れた系外惑星で、摂氏2400度に達する昼側の大気に蒸発した鉄が含まれることを示す観測データが得られた。1500度と比較的「涼しい」夜には鉄がなくなるので、昼から夜に切り替わる部分では鉄の蒸気が雨となって降り注いでいるようだ。 【2020年3月17日 ヨーロッパ南天天文台】 鉄の雨が降っているとされるのは、うお座の方向約640光年の距離に位置する系外惑星「WASP-76 b」である。質量は木星よりもやや小さいガス惑星で、中心星の周りを2日弱で公転している。中心星から惑星までの距離は太陽から地球までの30分の1しかない。さらに、月が地球に同じ面を向けているように、この惑星は潮汐の力によって中心星を向く「昼の側」と反対の「夜の側」が固定されているようだ。そのため、WASP-76 b全体としては高温でありつつ、昼と夜とで極端な温度差が生じる環境にある。 昼の側は摂氏2400度に