明け方、目を覚ますと月の光がこうこうと窓から差し込んでいた。半月だった。 明け方の半月だから下弦の月かあ…。と寝ぼけた頭で考えつつ、あれ何かおかしいなとも思ってみる。西の空に出ているから実は上弦の月だ。日本での、上弦の月は夜半には沈むものという考えがこびりついていて勘違いしたのだが、「夏の月」で書いたように高緯度地方では月が妙な時間に妙な位置に出ていることがあって日本で習ったようにはいかない。 月の出が毎日50分ずつ遅れる、というのも小学校の理科で習って疑いもしなかったが、実は高緯度になると前日より早く月が出ることもあれば2時間遅れることもある。だいたいなぜ月の出の時刻で教えるのだろう。せめて南中時刻が50分ずつ遅れるといえばまだ近い値になるし、月の入りはその前に月が見えているから時刻を実測しやすいけれど月の出はいつ起こるか分かりにくいというのに。 また金星は日の入りのすぐ後か日の出前と習