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  • JAXAの月探査機「SLIM」、“月の夜”を越えることに成功 - 観測再開へ

    宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2024年2月26日、月面に着陸した探査機「小型月着陸実証機(SLIM)」について、月の夜を越える「越夜」に成功したと発表した。 SLIMは、着陸地点が日没を迎え、太陽電池に太陽光が当たらなくなったため、1月31日から冬眠状態にあった。越夜を想定した設計にはなっていないものの、無事に眠りから覚め、運用再開を果たした。 運用チームは「さらなる観測の可能性にワクワクしています」と期待を語っている。 越夜後にSLIMの航法カメラが撮影した月の画像 (C) JAXA SLIMの越夜成功 小型月着陸実証機(SLIM)はJAXAが開発した月探査機で、誤差100mの高精度着陸技術と、軽量な月・惑星探査機システムの技術の実証を目的としている。 昨年9月に打ち上げられ、今年1月20日に月面着陸に挑んだ。SLIMは航法カメラによる画像航法を行って、高精度に自身の位置を推定しな

    JAXAの月探査機「SLIM」、“月の夜”を越えることに成功 - 観測再開へ
    halca-kaukana
    halca-kaukana 2024/03/03
    月で越夜するためにはヒーターが必要だが重い。SLIMが越夜できた理由は今後分析へ。電子機器が想定よりも頑丈だった、探査機の熱の出入りが好条件だった、想定外の着陸姿勢が保温に繋がった
  • H3ロケット試験機2号機打ち上げ現地取材(3) H3ロケット試験機2号機、再開フライト(RTF)の様子を写真と動画で振り返り!

    宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業(MHI)は2月17日、H3ロケット試験機2号機の打ち上げを実施し、成功した。9時22分55秒に上昇を開始した機体は、青空の中、順調に飛行を続け、まず第1段の燃焼を終了。続いて、前回失敗した第2段の点火も無事に行い、こちらも燃焼を完了すると、管制室からは大きな歓声が上がった。 打ち上げられたH3ロケット2号機 打ち上げの正式な結果については、日昼過ぎの記者会見で報告される予定。格的に喜ぶのはそれからということになるが、搭載した小型副衛星の分離まで確認できており、ロケットの軌道投入という2号機のミッションを果たしたことは間違いないだろう。記者会見の内容については、追ってまたレポートしたい。 稿ではまず、打ち上げの様子を写真と動画で紹介する。これまで2回の記事で紹介してきた機体把持装置については、記者会見後に改めて撮影しに行く予定なので、打ち上

    H3ロケット試験機2号機打ち上げ現地取材(3) H3ロケット試験機2号機、再開フライト(RTF)の様子を写真と動画で振り返り!
  • H3ロケット試験機2号機打ち上げ現地取材(1) 打ち上げは当初予定から延期も、移動発射台の新機能「機体把持装置」に注目!

    衝撃的だったH3ロケット初号機の打ち上げ失敗から約1年。ついに、再挑戦の機会がやって来た。打ち上げ失敗後の再開フライトは「RTF」(Return To Flight)と呼ばれ、いつも以上に重要な位置付けになってくるのだが、初号機で失敗したH3の場合は初成功もかかっている。なんとしても成功して欲しいところだ。 マイナビニュースTECH+取材班(今回も筆者1人)は2月13日、種子島に到着。既報の通り、天候上の理由により15日の打ち上げは延期になってしまったのだが、初号機に続き、今回も現地からレポートをお届けするので、続報をお待ちいただきたい。 13日の種子島宇宙センターは快晴。ブリーフィングの日は快晴なのに打ち上げ日の天気が悪いので延期という、種子島あるあるが今回も発動です…… 機体移動の見所は機体把持装置!(なのか?) 宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業(MHI)は13日、プレス向

    H3ロケット試験機2号機打ち上げ現地取材(1) 打ち上げは当初予定から延期も、移動発射台の新機能「機体把持装置」に注目!
    halca-kaukana
    halca-kaukana 2024/02/18
    H3ロケットは直径が太いので風の影響を受けやすい。ロケットを抱え込み風による揺れを抑える期待把持装置。
  • JAXA「SLIM」が月面着陸に成功、当日の様子をプレスセンターからレポート!

    宇宙航空研究開発機構(JAXA)は1月20日、小型月着陸実証機「SLIM」の月面着陸を実施。着陸後に太陽電池の発電ができなくなるというトラブルはあったものの、探査機からの電波は正常に受信できており、日初の月面着陸をついに実現した。これは日の宇宙開発において、非常に大きなマイルストーンになったと言えるだろう。 SLIM着陸直後のサブ管制室内の様子 (C)JAXA 筆者は前日22時より、JAXA相模原キャンパスにて取材を開始。記事では、そのときの様子をレポートしたい。 開場の30分前に現場に到着したのだが、すでに大勢の報道陣が プレスセンター内部の様子。筆者は右側最前列を確保できた ライブ配信された月面降下中のSLIMのテレメトリ画面 SLIMは同日0時に、最終降下を開始。高度15kmでメインエンジンを噴射して減速し、周回軌道を脱出、月面へと舵を切った。月のような重力天体では、一旦降下を

    JAXA「SLIM」が月面着陸に成功、当日の様子をプレスセンターからレポート!
    halca-kaukana
    halca-kaukana 2024/01/21
    ライブ中継でテレメトリ公開したのはとても面白かった。姿勢がテレメトリ通りなら太陽電池は垂直に西向き。今後光が当たり発電できるかも?テレメトリからVR再現は観てみたい。
  • H3ロケット2号機はどこが変わった? 機体やミッションについてJAXAが説明

    その後、JAXAは原因究明を進めたものの、調査は難航。電気系の問題であることは早くから分かっており、解析や試験などにより原因を徐々に絞り込んでいたが、問題となった過電流がなぜ発生したのか、なかなか特定には至らなかった。 しかし、H3は打ち上げを待つ衛星も多く、原因究明にあまり時間をかけすぎることもできない。まだ3つの故障シナリオが残っていた段階だったが、1つに特定することはせず、この3つ全てに対策を施すことで、より早く飛行を再開させる方針を決めた。 最後まで残っていた故障シナリオは、以下の3つ。それぞれの詳細や対策などについては、添付の図を参照して欲しい。 エキサイタ内部で軽微な短絡、着火信号後に完全に短絡 エキサイタへの通電で過電流状態が発生 PSC2 A系内部での過電流、その後B系への伝搬 3つの故障シナリオと対策 (C)JAXA 上記(1)と(2)はH-IIAと共通する要因のため、H

    H3ロケット2号機はどこが変わった? 機体やミッションについてJAXAが説明
  • “熱い宇宙の中を観る瞳”が復活! JAXA「X線分光撮像衛星(XRISM)」のすべて

    ブラックホール、超新星残骸、銀河団――。そんな謎だらけの天体をX線で詳しく観測する使命を背負って、X線天文衛星「ひとみ」が打ち上げられたのは、いまから約7年前の2016年2月17日のことだった。 しかし、わずか1か月後に衛星に問題が発生し、そのまま復旧することなく、4月には運用を断念することになった。 志半ばで悲劇に見舞われた「ひとみ」だったが、その性能はすさまじく、運用を終えるまでに行われたわずかな時間の試験観測でも、論文誌『ネイチャー』に掲載されるほどの科学成果を生み出した。 「『ひとみ』の使命を、そしてX線天文学の火を絶やしてはならない」――。世界中の研究者の決意、期待をすべて注ぎ込み、待望のX線天文衛星が復活した。その名は「X線分光撮像衛星(XRISM、クリズム)」である。 JAXA種子島宇宙センターで公開された「X線分光撮像衛星(XRISM)」 XRISMが目指すもの XRISM

    “熱い宇宙の中を観る瞳”が復活! JAXA「X線分光撮像衛星(XRISM)」のすべて
    halca-kaukana
    halca-kaukana 2023/08/24
    「ひとみ」の後を継ぐXRISM。7年の空白が空いてしまった日本のX線天文衛星。無事の打ち上げと運用開始を。
  • イプシロンSロケット第2段の爆発事故は想定外の高熱が原因か、JAXAが報告

    宇宙航空研究開発機構(JAXA)は7月31日、イプシロンSロケット第2段モーター「E-21」の地上燃焼試験中に起きた爆発事故について、調査状況を文部科学省の有識者会合にて報告した。原因はまだ特定されていないものの、想定外の高熱によりモーターケースの強度が低下し、破壊に至った可能性が高いことが分かったという。 地上燃焼試験中に爆発したイプシロンSロケット第2段モーター イプシロンSは、JAXAが開発中の新型固体ロケットである。強化型イプシロンの後継機として開発されているもので、2024年度後半に初打ち上げを実施する予定だった。すでに、第1段と第3段の燃焼試験は完了しており、7月14日に行ったこの第2段の燃焼試験が、開発における最後の大きな山場になるはずだった。 第2段モーターの地上燃焼試験は、JAXAの能代ロケット実験場(秋田県能代市)にて実施。120秒間の燃焼を予定していたが、点火後約57

    イプシロンSロケット第2段の爆発事故は想定外の高熱が原因か、JAXAが報告
    halca-kaukana
    halca-kaukana 2023/08/03
    ノズルは海中に沈んでいる模様。モーターケースに想定外の大きな熱負荷がかかり構造の強度を維持できる許容温度を超過し爆発。亀裂や気泡なども確認中。試験棟再建も必要。
  • H3ロケットの失敗は短絡の可能性が強まる、具体的な故障シナリオの検討へ

    宇宙航空研究開発機構(JAXA)は4月27日、H3ロケット初号機の打ち上げ失敗原因について、調査状況を文部科学省の有識者会合にて報告した。まだ原因の特定には至っていないものの、第2段エンジンで短絡/地絡が発生した可能性が高いことを突き止めており、計17の故障シナリオを抽出、検証を進めていることが明らかにされた。 種子島宇宙センターより打ち上げられたH3ロケット初号機 短絡/地絡が発生したという推定の根拠は? H3ロケット初号機は、3月7日に打ち上げを実施。第1段の飛行に問題は無かったものの、第2段エンジンの着火が行われず、衛星の軌道投入に失敗していた。前回の報告では、着火やバルブ制御を行う「ニューマティックパッケージ」(PNP)で電流異常を検出、その結果として電源が遮断され、着火が行われなかったことまで分かっていた。 この異常を引き起こした要因として、前回は、以下の3つを推定。今回、3種類

    H3ロケットの失敗は短絡の可能性が強まる、具体的な故障シナリオの検討へ
    halca-kaukana
    halca-kaukana 2023/05/23
    短絡はショート、地絡は機器の絶縁不良等により大地に電流が流れている時の状態。
  • 国際宇宙ステーション、運用延長が決定 - ロシアが同意もくすぶる懸念

    米国航空宇宙局(NASA)は2023年4月27日、国際宇宙ステーション(ISS)の運用について、2025年以降も延長することで参加国と同意したと発表した。 ISSの運用は2024年までとされていたが、米国が2030年までの延長を提案し、日、欧州、カナダが参加を表明していた。そしてロシアが26日、2028年までの延長に同意した。 ロシアによるウクライナ侵攻が続くなか、ISSは一種の“聖域”として、欧米などとロシアとの協力関係が続いている。その一方で、ISSの運用が終わる2030年以降を見据え、各国でさまざまな動きも始まっている。 運用延長が決まった国際宇宙ステーション(ISS) (C) NASA ISSの運用延長をめぐる動き ISSは米国、日、カナダ、欧州、そしてロシアなど計15か国が共同で運用している宇宙ステーションである。 全体の大きさはサッカー場ほどで、質量は約420tもあり、高度

    国際宇宙ステーション、運用延長が決定 - ロシアが同意もくすぶる懸念
  • イプシロン6号機の打ち上げ失敗から半年、ついに発生した事象の詳細が判明

    宇宙航空研究開発機構(JAXA)は4月18日、イプシロン6号機の打ち上げ失敗原因について、調査状況を文部科学省の有識者会合にて報告した。すでに、ダイアフラムによる閉塞が起きていたことは分かっていたが、追加の検証試験などを実施し、シール部からの漏洩が原因であることを突き止めた。今後、来月をめどに、報告書を取りまとめる。 JAXA内之浦宇宙空間観測所より打ち上げられたイプシロン6号機 (C)JAXA 閉塞に至ったプロセスが明らかに イプシロン6号機は2022年10月12日に打ち上げたものの、第2段RCSの片側で異常が発生し、機体の姿勢を正常に制御できなくなり、衛星の軌道投入に失敗していた。フライト時のデータからは、スラスタに燃料が届いていなかったことが分かっており、どこで何が起きて詰まってしまったのか、これまで調査が進められてきた。 2月3日に行われた前回の報告では、パイロ弁とダイアフラムの2

    イプシロン6号機の打ち上げ失敗から半年、ついに発生した事象の詳細が判明
    halca-kaukana
    halca-kaukana 2023/04/21
    燃料タンク内で液体と気体を分離しておくための膜「ダイアフラム」
  • H3ロケット初号機の打ち上げ失敗は過電流による電源遮断が原因か?

    宇宙航空研究開発機構(JAXA)は3月16日、文部科学省(文科省)の「宇宙開発利用に係る調査・安全有識者会合」にて、打ち上げに失敗したH3ロケット初号機の原因調査状況を報告した。まだ原因の特定には至っていないものの、第2段のエンジン側で過電流が発生。この検出によって電源が遮断された可能性が高いという見方が示された。 種子島宇宙センターより打ち上げられたH3ロケット初号機 H3ロケット初号機は3月7日に打ち上げを実施。第1段の飛行は正常に行われたものの、第2段エンジンの着火が行われず、衛星の軌道投入に失敗していた。この失敗を受け開催された前回の有識者会合では、第一報として電源系統の異常が報告されていたが、この1週間の調査によって、より詳しい状況が分かってきた。 同ロケットでは、以下のようなシーケンスによって、第2段エンジンの着火が行われるはずだった。 まず、ロケット全体の飛行を制御する「2段

    H3ロケット初号機の打ち上げ失敗は過電流による電源遮断が原因か?
    halca-kaukana
    halca-kaukana 2023/03/19
    冗長系でも異常発生とは辛い。H3では自動車部品を多用し機体の電気系が大きく変更され過電流を監視する機能を搭載。過電流の閾値が厳しすぎた可能性も。/難しいけど頑張ってついて行く
  • H3ロケット初号機の打ち上げ失敗、第2段の電源系統に異常を確認

    文部科学省主催の「宇宙開発利用に係る調査・安全有識者会合」が3月8日、オンラインで開催され、前日に打ち上げを失敗したばかりのH3ロケット初号機について、宇宙航空研究開発機構(JAXA)から報告が行われた。原因についてはまだ調査中だが、最新情報として、電源系統に異常が見つかったことが明らかにされた。 種子島宇宙センターより打ち上げられたH3ロケット初号機 H3ロケット初号機は3月7日10時37分55秒に打ち上げを実施。第1段・第2段の分離までは完璧に見えたが、その後、第2段エンジンに着火しなかったことから、地上から指令破壊信号を送出。ミッションの達成に失敗していた。当日の様子について、詳しくは現地レポートの記事を参照して欲しい。 JAXAの岡田匡史プロジェクトマネージャはまず、フライト結果について説明。ここで目を引くのは、シーケンスの各イベントが、かなり予定通りに進行したということだ。通常は

    H3ロケット初号機の打ち上げ失敗、第2段の電源系統に異常を確認
    halca-kaukana
    halca-kaukana 2023/03/11
    電気系システムはH2Aでは機器間を1対1で繋げていた。H3はよりシンプルなネットワーク方式に。エンジン側に着火信号が届いていたのでここは問題なさそう。
  • H3ロケット初号機の打ち上げ中止、電源供給系統の遮断が原因と判明

    宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2月22日、同17日に打ち上げを中止したH3ロケット初号機について、文部科学省に原因の調査状況を報告した。異常の発生場所については特定できたものの、その原因についてはまだ調査中。JAXAは、3月10日までの予備期間中の打ち上げを目指すとしているものの、時間的な余裕はあまり無く、見通しはやや不透明だ。 第1段エンジン「LE-9」の起動後に打ち上げを中止したH3ロケット初号機 電圧が数秒間ゼロになっていた 日の新たな基幹ロケットとなるH3ロケットは17日、種子島宇宙センターにて初フライトに臨んだものの、第1段エンジン「LE-9」の燃焼開始後に機体が異常を検出し、シーケンスを中断。固体ロケットブースタ(SRB-3)に点火信号は送らず、打ち上げを中止していた。 JAXAの調査によると、打ち上げの6.3秒前にLE-9エンジンは着火。数秒かけて推力90%まで正常に立

    H3ロケット初号機の打ち上げ中止、電源供給系統の遮断が原因と判明
    halca-kaukana
    halca-kaukana 2023/02/24
    異常が確認された電源供給系統の経路上には複数の半導体スイッチがあり、カウントダウンシーケンスの中で順次オンになる。このスイッチがオフになり電源が落ちた
  • ロシアの謎の軍事衛星「コスモス2499」が軌道上で分解、デブリが発生

    軌道上の物体を監視している米国宇宙軍の第18宇宙防衛隊は2023年2月7日、ロシアの軍事衛星「コスモス2499」がブレイクアップ(分解)し、破片が発生したと発表した。 コスモス2499は2014年に打ち上げられ、何度も軌道を変え、他の衛星に接近する動作を見せており、衛星攻撃兵器の試験機という見方もある。 2014年のコスモス2499の打ち上げの様子 (C) GKNPTs Khrunichev コスモス2499のブレイクアップ 米国宇宙軍の第18宇宙防衛隊によると、コスモス2499が分解したのは日時間2023年1月4日12時57分ごろと推定されている。現時点までに85個の破片が発生したことが確認されている。 コスモス2499は遠地点高度1512km、近地点高度1156km、軌道傾斜角82.44度の極軌道を周回しており、分解時の高度は1169kmだった。 分解した時点で、コスモス2499が運

    ロシアの謎の軍事衛星「コスモス2499」が軌道上で分解、デブリが発生
    halca-kaukana
    halca-kaukana 2023/02/21
    2014年に打ち上げられ、何度も軌道を変え他の衛星に接近。他国の偵察衛星に接近して監視する技術、あるいは体当りしたり自爆したりして攻撃する『キラー衛星』の技術を試験する衛星との見方も。
  • JAXA、イプシロン6号機の打ち上げ失敗はダイアフラムの閉塞が原因と特定

    宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2月3日、宇宙開発利用部会の調査・安全小委員会にて、イプシロン6号機打ち上げ失敗の原因調査状況について報告した。問題の発生場所についてはすでに「パイロ弁」と「ダイアフラム」の2カ所に絞られていたが、追加試験等を行い検証した結果、ダイアフラム側が原因であったことを突き止めたという。 イプシロン第2段RCSの概要。この片側で異常が発生していた (C)JAXA 意外な現象が解明の手がかりに 2022年10月12日に打ち上げたイプシロン6号機は、2系統ある第2段RCSの片側で異常が発生、機体の姿勢を正常に制御できなくなり、衛星の軌道投入に失敗していた。フライト時のデータからは、スラスタに燃料が届いていなかったことが分かっており、どこで詰まってしまったのか、これまで調査が進められてきた。 前回の調査では、パイロ弁の点火時に下流配管圧力が1ビット分だけ上昇していたこと

    JAXA、イプシロン6号機の打ち上げ失敗はダイアフラムの閉塞が原因と特定
    halca-kaukana
    halca-kaukana 2023/02/11
    ダイアフラムは燃料タンク内の液体(燃料)と気体(加圧ガス)を分離しておくための樹脂製の膜
  • ロシアの「ソユーズ」宇宙船が引き起こした“ISS史上最大の危機”、その全貌 (1)

    2022年12月15日に発生した、ロシアの「ソユーズMS-22」宇宙船の冷却材漏れ事故。その影響で、国際宇宙ステーション(ISS)の運用、なにより宇宙飛行士の安全は大きく脅かされることになった。この危機に対し、米国航空宇宙局(NASA)とロシア国営宇宙企業ロスコスモス、そして米宇宙企業スペースXなどが協力し、事態の打開に向けて動き続けている。 「ISS史上最大の危機のひとつ」ともされる事態は、なぜ起きたのか。そして、技術者たちはどのようにして解決しようとしているのだろうか。 ソユーズMS-22宇宙船から冷却材が漏れ出す様子 (C) NASA TV ソユーズMS-22の冷却材漏れ ソユーズMS-22宇宙船は2022年9月21日(日時間、以下同)、ロシアのセルゲイ・プロコピエフ宇宙飛行士とドミトリー・ペテリン宇宙飛行士、米国のフランク・ルビオ宇宙飛行士の3人を乗せ、カザフスタン共和国のバイコ

    ロシアの「ソユーズ」宇宙船が引き起こした“ISS史上最大の危機”、その全貌 (1)
  • OMOTENASHIの異常回転は液体推進剤のリークが原因か? JAXAが調査結果を報告

    宇宙航空研究開発機構(JAXA)は12月20日、超小型探査機「OMOTENASHI」で発生した異常について、調査結果を報告した。得られた様々なデータを分析した結果、JAXAはガスジェット推進装置のスラスタバルブに異常が発生したと判断。ここから液体の推進剤が噴射されたことで、約80°/sという異常回転を引き起こしたことを突き止めた。 超小型探査機「OMOTENASHI」のフライトモデル (C)JAXA 空白の30分間に何が起きたのか? OMOTENASHIは米国の超大型ロケット「SLS」(Space Launch System)初号機に搭載され、11月16日15:47(日時間)に打ち上げられた。その後、ロケットからは19:30頃に分離したと推定されているが、通信が可能になったときに異常な高速回転の状態で見つかっており、通信確立までの30分ほどの間に何が起きたのか、究明が進められていた。 O

    OMOTENASHIの異常回転は液体推進剤のリークが原因か? JAXAが調査結果を報告
  • イプシロン6号機の失敗原因、調査で浮かび上がってきた2つの故障シナリオ

    宇宙航空研究開発機構(JAXA)は12月16日、宇宙開発利用部会の調査・安全小委員会にて、イプシロン6号機打ち上げ失敗の原因調査状況について報告した。前回の報告から約1カ月が経過したが、JAXAはこの間、膨大な製造・検査データを精査。要因について、大幅な絞り込みに成功し、故障シナリオの検討も行ったという。 火工品の作動不良は要因から排除 10月12日に打ち上げたイプシロン6号機は、2系統ある第2段RCSの片側(+Y側モジュール)で異常が発生、その結果、姿勢を維持できなくなり、衛星の軌道投入に失敗していた。原因は、燃料がどこかで詰まっていたことで、問題が発生した可能性のある場所としては、すでにパイロ弁とダイアフラムの2カ所に絞り込むことができていた。 パイロ弁は、構成する3つの部品(イニシエータ、PCA、バルブ体)について、製造・検査データに基づいた絞り込みを継続。このうちイニシエータとP

    イプシロン6号機の失敗原因、調査で浮かび上がってきた2つの故障シナリオ
  • 「オモテナシ」月面着陸を断念 ロケットから分離後、姿勢制御できず

    史上最小の機体での月面着陸に挑んだ実証機「オモテナシ」(OMOTENASHI)について、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は22日、着陸を断念したと発表した。米国のロケットから分離後、機体が太陽光を捉える姿勢を取れず、必要な電力を確保できないまま失敗に終わった。 オモテナシの想像図(JAXA提供) オモテナシは無人試験飛行の米宇宙船に相乗りする形で、米大型ロケット「SLS」初号機に搭載され、日時間16日、米フロリダ州から打ち上げられた。宇宙船に続いて分離したものの、機体の太陽電池のある面が太陽に背を向けたまま、高速で回転していることが判明。電池が太陽に向くよう、ガスジェットを噴射して回転軸の変更を試みた。しかしその後も電圧が不足し、電波の送信が停止。搭載機器自体は故障していないとみられ、姿勢の安定を目指した。 運用チームは計画していた秒速50メートルほどの月面衝突ではなく、22日午前1時ご

    「オモテナシ」月面着陸を断念 ロケットから分離後、姿勢制御できず
  • イプシロン6号機の失敗原因究明が進む、H3ロケットは一部に設計変更も

    宇宙航空研究開発機構(JAXA)は11月11日、宇宙開発利用部会の調査・安全小委員会にて、イプシロン6号機の打ち上げ失敗原因に関する調査状況を報告した。原因については引き続き確認中で、絞り込みに大きな進展は無いものの、いくつか追加情報が出てきたほか、H3ロケットの設計変更に関する方針も明らかになった。 不自然に大きかった燃料タンクの理由は? まずは、最新の調査状況についてだ。これまでの調査により、第2段RCSで問題が起きた可能性のある場所としては、すでにパイロ弁とダイアフラムの2つに絞られていたが、今回の報告では、ダイアフラムについて、より詳しい情報が出てきた。 ダイアフラムは、燃料タンクの内側に設置されたゴム膜である。液体の燃料(ヒドラジン)と、気体の押しガス(窒素)を分離する役割があり、これによって、燃料に確実に圧力を加え、下流のスラスタに押し出すことが可能となっている。 燃料タンク内

    イプシロン6号機の失敗原因究明が進む、H3ロケットは一部に設計変更も