同期入社の丸山徹兄が最近、『入門・アメリカの司法制度』(現代人分社)を上梓した。著者本人は上智大学英語学科卒であるから法律が専門ではない。90年代後半にニューヨーク支局に在勤してアメリカの司法制度にのめりこんだ結果、生まれた著書である。 先日、職場に電話がかかってきて、恥ずかしげに新著を差し出した。10年かかって仕上げたという。大手出版は相手にしてくれなかったというが、なかなか面白かった。僕自身、アメリカで取材中、保安官に拳銃をつきつけられた経験があり、「おー、アメリカにはまだシェリフがいたんだ」と驚かされた経験がある。日本にも戦争になるまで陪審員制度があって、国民に周知徹底するために大変な努力をしたという話も読んだことがある。 日本の司法制度は独仏の大陸の体系を導入したものに戦後、アメリカの制度を接木したと習ったが、戦前に陪審員制度があったという事実を知ったときは、「なーんだ日本にもあっ