野田新政権に期待したい。 これで日本政治に立ちこめていた霧が一挙に晴れると期待できるほどそう甘いものでないことは知っている。しかし、あまりにも長く政治の低迷が続いた後でもあり、敢(あ)えて野田新政権の前途に期待できる材料を数えてみたい。 ◆反体制リベラルの無礼講挫折 何よりも、民主党が政権奪取以来、その特性の重要な部分である反体制リベラルの主張を出すだけ出し尽くして、無礼講を演じ、そして、そのすべてに挫折して、その教訓を学んだことである。 三党合意による公約の見直しがその最も具体的な例である。 外交面では、鳩山由紀夫政権ができるとすぐに、東アジア共同体の構想を打ち出したが、その当の目的である中国から全く相手にされないまま、話は立ち消えになっている。 もともと東アジア共同体は、中国が、北京のお膝元にASEAN(東南アジア諸国連合)諸国、日本、韓国の元首を招き、会議を牛耳ろうとしたのを、オース