『しらずしらず──あなたの9割を支配する「無意識」を科学する』(レナード・ムロディナウ著、水谷淳訳、ダイヤモンド社)の「しらずしらず」が意味するものは、つまり「サブリミナル(subliminal=潜在意識の)」。たしかに「潜在意識」より柔らかい印象があるので言葉選びのセンスがいいなと感じましたが、ともあれ本書では、無意識の心の働きとそれが及ぼす影響を解説しているわけです。 経験することを理解するためには、「意識的な自己」と「無意識の自己」、そしてそれらがどう作用し合っているのかを理解することが必要。著者はそう主張しています。なぜならサブリミナルな脳は、自分や他人に対する見方、日常生活での出来事の意味、判断や決断を行なう能力などに影響を及ぼしているから。だとしたら、その点を突き詰めれば人間は可能性をさらに伸ばすことができるかもしれません。 ところで、日常生活ではどんな「しらずしらず」があるの