日光を当てたポロシャツの表面温度を測る実験。左から赤、白、青、深緑、グレー、黒、紫、黄、緑=国立環境研究所提供 猛暑が本格化している。「黒い服を着ると暑さが増す」というのは定説になっているが、近年、暑さを増すのは黒だけではないことが分かってきた。夏を過ごすのに適した服の色とは。 「黒と近い関係にある色があります」。そう教えてくれたのは国立環境研究所(茨城県つくば市)の一ノ瀬俊明主幹研究員(都市環境学)だ。暑さと服の色の関係を調べている。 太陽から地球には「放射エネルギー」が届いている。物体は色によって放射エネルギーの反射率が異なり、物体に反射されなかったエネルギーは吸収されて熱に変わる。このため、反射率が低い黒い服は熱を持ちやすく、反射率が高い白い服は熱を持ちにくい。 一ノ瀬さんの研究チームは2019年、黒や白など9色のポロシャツを日なたに置いて、日光を5分程度当て、サーモグラフィーカメラ