岩石や鉱物は、どんな文明にも不可欠な原材料だ。特に技術社会においては、鉱物(とそれに含まれる希少元素)の需要は高い。だが、鉱床探しはこれまで、大部分を忍耐と運に頼っていた。 この200年間の科学の進展により、鉱物はランダムに分布しているわけではないことが判明している。地球上に存在する5000種類を超える鉱物は、多くがいわゆる共生関係にある。共生とは、母岩の一定の化学組成や、温度・圧力といった適切な条件が満たされた場合など、特定の物理化学的法則の下で形成される鉱物の集合体のことだ。 こうした鉱物集合体を形成する法則を人工知能(AI)によって「発見」することで、鉱床の位置予測を試みた研究結果が、このたび発表された。 研究チームは、5478種類の鉱物の産地29万5583カ所が登録された『Mineral Evolution Database(鉱物の進化データベース)』のデータをAIに学習させ、鉱物