そんなギリギリの状況下でも、岐阜のアパレルで存在感を見せる企業がある。1949年に岐阜県で創業した、カジュアルファッションメーカーの「水甚」だ。アメリカのスポーツブランド「ファーストダウン」や、2020年10月には倒産したレナウンが手放した「アーノルドパーマー」の販売権を取得するなど、日本国内で海外ブランドの商品を製造・販売するブランドビジネスを積極展開する。 ダウンジャケットが主力の「ファーストダウン」は1997年から取り扱いを始め、主にGMS向けに展開してきた。だが、今から3年前、あるセレクトショップが同ブランドを紹介。それが大きな転機となり、セレクトショップでの取り扱いが増えた。GMS向けは5000円台が主流だが、いまやセレクトショップ向けは3万円台を中心に展開する。 「買ってもらえる自信があった」 こんな”大変身”が可能となったのも、商品力があるからだ。そもそも縫製工場から始まった