自分の自由を拘束してみることの価値 生活をより便利にするための製品やサービスの開発と普及が加速しています。新しいものは大いに活用したいところですが、一方で利便性への過剰な没入はしばしば怠惰・依存・不健康といった負の要素と背中合わせであることにも注意しておきたいものです。 近年、スマートホーム等のキーワードに象徴される光景とは逆向きにあえて利用者に不便を強いるための機器が出始めていることを知り関心を持ちました。 不自由さのあとの自由からはその恩恵をあらためて新鮮な思いで学ぶことができるでしょう。あるいは、今まで自分にとって重要で欠かせないと思っていたものとの関係を見直すきっかけとなるかもしれません。そのように、普段あまりに見なれた自由との間に距離をおいてみる試みは、自分の日常への向き合い方を考えるための材料のひとつになりえるのではないでしょうか。 ずいぶん昔に読んだ、故・中島らもさんのエッセ