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ブックマーク / owlman.hateblo.jp (3)

  • 『共食いの島』ニコラ・ヴェルト|生産的でない人を共食いさせた国家 - ボヘミアの海岸線

    いや、ちがう、同志、われわれはうまくやらねばならないとしても、春までには連中全部がくたばるように行動する必要がある。なにか着せるにしても、死ぬ前に少しばかり森の伐採をさせるのに間に合えば十分だ。 ――ニコラ・ヴェルト『共いの島』 生産的でない人を共いさせた国家 1930年代、スターリン時代ソビエトが主導した「移住計画」の記録である。「移住計画」と聞くとそれほど残虐に聞こえないかもしれないが、20世紀初頭の「移住計画」とは「いらない人間を辺境の地に追いやって、自分たちの世界からなかったことにする」ことだった。ナチスもユダヤ人大量虐殺システムを構築する前は、ユダヤ人をすべてマダガスカル島に移住させる計画をつくっていたことからも、「移住計画」の性質を推し量れる。 ソビエトはナチスよりも先んじて、「移住計画」という名の虐殺を実行した。ナチスは「整然とした虐殺システム」を構築したが、ソビエトのそ

    『共食いの島』ニコラ・ヴェルト|生産的でない人を共食いさせた国家 - ボヘミアの海岸線
  • 『火を熾す』ジャック・ロンドン|命の炎が燃え上がる - ボヘミアの海岸線

    犬の姿を見て、途方もない考えが浮かんだ。吹雪に閉じ込められた男が、仔牛を殺して死体のなかにもぐり込んで助かったという話を男は覚えていた。自分も犬を殺して、麻痺がひくまでその暖かい体に両手をうずめていればいい。そうすればまた火が熾せる。 ――ジャック・ロンドン『火を熾す』 命の炎が燃え上がる瞬間 ジャック・ロンドンの「火を熾す」は私が読んだ小説の中でも有数の「極寒」小説で、冬がくるたび折に触れて思い出す。 氷混じりの冬の雨に心が折れそうになると、「火を熾すほどじゃない」とみずからに言い聞かせ、歩く足を速める。マイナス50度に比べれば、0度などハワイのようなものだ。吐く息は凍らないし、凍傷になる心配もないし、生死の境で震えることもない。 火を熾す (柴田元幸翻訳叢書―ジャック・ロンドン) 作者: ジャック・ロンドン,新井敏記,柴田元幸 出版社/メーカー: スイッチ・パブリッシング 発売日: 2

    『火を熾す』ジャック・ロンドン|命の炎が燃え上がる - ボヘミアの海岸線
  • 『パリに終わりはこない』エンリーケ・ビラ=マタス - キリキリソテーにうってつけの日|海外文学記録

    <<私くらいの年齢になれば、何とかして外見だけでもヘミングウェイに似ているとまわりの人に認めてもらいたくなりますよ>> ーーエンリーケビラ=マタス『パリに終わりはこない』 自意識・イン・パリ 私たち人類は、「褒められたい」「認められたい」と願う生き物で、得意なことや好きなこと、執着することで欲求を満たそうとする。たとえば、や文章が好きな人なら「文章を多くの人に読んでほしい」「文章がうまいと褒められたい」「作家として認められたい」と願うだろう。 ビラ=マタスは、「書くことに執着する者の自意識」をこじあけてくる。 パリに終わりはこない 作者: エンリーケビラ=マタス,Enrique Vila‐Matas,木村榮一 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2017/08/25 メディア: 単行 この商品を含むブログ (3件) を見る あるスペイン人の作家が、初めての小説を書くためにパリで

    『パリに終わりはこない』エンリーケ・ビラ=マタス - キリキリソテーにうってつけの日|海外文学記録
    kenzy_n
    kenzy_n 2018/12/22
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