この記事の寄稿に際し、安倍晋三元首相に哀悼の意を表明する。 安倍氏は7月8日、参院選の街頭演説中に凶弾に倒れた。まさに悪夢であり、日本だけでなく世界を震撼(しんかん)させた。 ロシアによるウクライナ侵攻や、中国による軍事的覇権拡大などを受けて、自由主義諸国による新たな集団的安全保障の枠組み構築が必要な時期に、世界はかけがえのない指導者を失った。 岸田文雄政権は、安倍氏の「国葬(国葬儀)」を9月27日、東京・北の丸公園の日本武道館で実施すると決めた。安倍氏を悼むために、世界各国から要人が集まる。国葬は前代未聞の規模になるだろう。国の威信をかけた国葬は、万全の警備・警護体制でなければならない。 これまでの、銃犯罪のない「安全な国=日本」というイメージは崩れ落ちた。警察庁も、警備・警護の不備を認めて、安倍氏の事件の検証を始めているが、要人警護を強化するにも時間がかかる。 米国では、国家要人の特別