(第107号、通巻127号) 「慣用読み」を扱った先週の当ブログはいつもより反響が大きく、1週間のアクセスが2,000pv(ページビュー)を超えた。反響の中で意外だったのは、「『固執』の読みの説明についての指摘だった。「‘こしゅう’と言うのは『‘こしつ’の老人語』と説明している」辞書《注1》を紹介したところ、「老人語」扱いにショックを感じた、という声がいくつか寄せられたのである。たしかに、辞典の表記で雅語とか俗語、口頭語とか「位相」を示す説明語の一つとして「老人語」という語を使っている例は、この辞書、『新明解国語辞典』 (三省堂)をおいて他にない。 老人語とは、同辞典の第6版の定義によれば、「すでに多くの人の常用語彙の中には無いが、高年の人には用いられており、まだ死語・古語の扱いは出来ない語」とされる《注2》。そして、例として4語挙げているが、その一つに「よしなに」があった。「どうぞ、よし