西側の人間が中国を相手にする時に、中国の古典から引いた箴言をスピーチに盛り込むというつまらない伝統がある。 バラク・オバマ米大統領は今年7月、中国と米国の指導者らを前に、孟子のありきたりな言葉を引用しただけでなく、中国人バスケットボール選手、姚明(ヤオ・ミン)のもっとパンチの効いた言葉まで引っ張り出した。「チームの中の新人であれ古参であれ、互いに適応するには時間が必要だ」というものだ。 中国共産党の政権奪取によって断たれた米中の国交が回復してから既に30年が経つが、両国はまだまだ適応を必要としている。 問題の核心は、米中関係がどこに向かうかについて、双方に根強い疑念が存在しているところにある。米中は多くの点で寝床をともにしている。両国の経済は次第に絡み合うようになり、特に過去10年間はその傾向が強まっている。米国は世界一の債務国であり、その米国に最も多く貸し付けている債権国が中国だ。