※前回前置きで終わってしまった記事の続きです。 原題は”Mal d’archive.”1995年刊行。英訳すると”Archive Fever.” “mal”は「苦痛」。外務省のHPにも咄嗟のフランス語みたいなページがあって、それを見ると、頭痛は” mal de tete”とかあるので、そういうニュアンスのものらしい。Amazonで英訳本を見ると、燃え上がる火が表紙に用いられている。 アーカイヴの病 (叢書・ウニベルシタス) 作者: ジャック・デリダ,福本 修出版社/メーカー: 法政大学出版局発売日: 2010/11/04メディア: 単行本 クリック: 53回この商品を含むブログ (16件) を見る[rakuten:book:12143795:detail] しかし何故デリダが、ということをまず思った。私の貧しい哲学知識を駆使すると、脱構築をキーワードにして、形而上学を批判し、ことばと意味の
→紀伊國屋書店で購入 デリダを読み、「生き残り」をどう生きるか考えよう. 都内は先週、記録的猛暑で最高気温を更新したが、昨日も、そして明日もあさっても、私はALSの人たちの付き添い(目撃者として)である。彼らの生き方は真夏も真冬も関係ない。むちゃくちゃである。喉から呼吸器を着けている者も、嚥下障害で唾液さえ上手に飲み込めない者も、この暑い最中に「宣伝活動」をやめないし、気力も衰えない。重病人の自覚がない。 昨日のKさんは、練馬区包括支援センター主催のケア研究会で講師を依頼されていた。2年前は奥さま以外の排泄介助をあれほど嫌がっていたのに、それが今では区内のケアマネやベテランヘルパーたちが教えを請う排泄被介助の当事者である。その上、彼はトイレ介助の演習DVDを自作自演で作成してきた。 また明日は、独居の女性ALS患者といっしょに、青森で開催される日本難病看護学会のシンポジスト。そのため、私た
読書感想文を書きます。今回のお題はジャック・デリダの“Mal d’archive”。95年にガリレー社から出版されたこの本は、アーカイブという概念をひとつの軸としてフロイトを論じているものです。まず一読して、技術やメディアの問題に関する自分の興味関心からいって、これをいままで読んでいなかったのはきわめて重大な手落ちだと痛切に思い知りました。またそれだけではなく、その分析というか、フロイトの議論に寄り添いながら同時にそれを切り刻んで少しずつ新しい光景を示していく手際は、その他の多くのデリダの著作に比べても、格段に鮮やかであるように思いました。まだ読み終わってからそれほど経っていない(一週間くらい前ですが)というのもありますが、いまのところ、この“Mal d’archive”はデリダの最高傑作の部類に入る、というような印象を持っています。 この“Mal d’archve”というタイトルをどう訳
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