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日本の研究が世界10位になったという報道があった。これに関連して、2018年12月に書いたもの*)に手を加えたものを掲載する。 %%%%%%%% 大学は、独法化とそれに期を一にして取られた「選択と集中」政策のために、組織も人も貧困化している。「貧すれば鈍する」、これが今回の数字に表れた帰結である。 ます誤解を解かないといけないのは、研究費よりも前に大学の「維持費」である運営交付金というデフォルトの教育・研究・人件費が毎年削減されている、ということである。これには教育費と人件費が含まれているので、なんとか最低限の大学教育を誠実に維持するために教員スタッフの給料を実質下げ(20年ほど前に年齢ごとの給与曲線を下に平行移動した)だけでなく、常勤の特に若い人のつく助教、准教授のポストを毎年のように減らしている、という状況なのである。したがって、有為の将来を担う若手研究者が付く常勤の教員ポストの絶対数
科学技術が経済や安全保障を左右するいま、日本の研究力低下が止まらない。米欧の後追いを脱却しようと、国は1996年度に科学技術基本計画を打ち出し、90年代後半には米国などに次ぐ地位を誇った。その後も世界のけん引役を担うはずだったが、日本の研究力は中国などの後じんを拝し、今では世界9位に沈んだ。日本はどこでつまずいたのか。落日の四半世紀を検証する。【次回記事】大学の研究力低迷、「選択と集中」奏功せず 広がる格差「科学研究から経済成長に必要なイノベーションを搾り取ろうとしたが、明確な成功はなかった」。英科学誌ネイチャーは8日付の論説で、約7年半にわたる安倍政権の科学政策を総括した。安倍晋三前首相は「世界で最もイノベーションに適した国を造る」として、出口を重視するトップダウンの大型プロジェクトを相次いで立ち上げた。首相がトップの科技政策の司令塔を「総合科学技術・イノベーション会議」に改称するなど、
黙っているからと言って何も考えていなかったわけではない。 5月15日付けのエントリー「国立大学がいま大変なことになっている」を書いてから、いろいろな人に引用されたり、言及されたりしてきた。 国立大学関係者なら誰でも知っていることだが、一般の人たちにとっては驚くべきことだったようである。 その後、国立大学法人評価委員会が各大学に通知した「国立大学法人の組織及び業務全般の見直しに関する視点」について(案)の発表を受けて、東京新聞が9月2日付けの記事「国立大学から文系消える?」を掲載したり、またぼくの記事を引用した村田哲志氏による10月1日付けLivedoorNewsの記事「国立大学から文系学部が消える!安倍首相と文科省の文化破壊的『大学改革』」が出たことによって、またまたぼくの周辺が騒然としてきた。かと思えば今月号の『現代思想』の特集は「大学崩壊」というショッキングなものだった。だが、ざっと目
新聞やテレビなどであまり報じられることはないのだが、現在国立大学は安倍内閣による大変な「改革」の波に曝されている。 「スピーディな意志決定」を売りにするこの「ヤンキー政権」は、自民党が過半数を握っているこの時期に一気に彼らの言う教育「改革」を進めるつもりらしい。 ろくな議論も反省も洞察もなく「気合さえあれば何でも解決できる」という斎藤環が言うところの社会の「ヤンキー化」は、憲法解釈の変更ばかりでなく、ついに大学教育の現場まで飲み込もうとしているのだ。その戦略的に畳み掛けるような政策の押し付けはある意味見事ですらあるが、根本的に間違っている政策なので、これによって国立大学、もしくは日本の大学教育全般が受けるダメージも半端なものではないだろう。元々腐りきっていてかろうじてふらつきながらも踏ん張っているような日本の国立大学が、これで最後の支え棒を奪われて崩壊してしまう危険性も高い。 ひとつはこれ
研究大学強化促進事業 近年、我が国の論文数等の国際的シェアは相対的に低下傾向にあり、大学等における研究体制・研究環境の全学的・継続的な改善や、研究マネジメント改革などによる国際競争力の向上が課題となっています。 このような状況を踏まえ、世界水準の優れた研究活動を行う大学群を増強し、我が国全体の研究力の強化を図るため、大学等による、研究マネジメント人材群の確保や集中的な研究環境改革等の研究力強化の取組を支援します。 本事業においては、大学等の研究活動の状況を測る指標を用いて、一定数をヒアリング対象として選定し、それらが取り組む「研究力強化実現構想」について審査の上、支援対象機関を決定します。
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