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ブックマーク / note.com/econ101_ (9)

  • ノア・スミス「日本は通貨危機におちいってるの?」(2024年4月29日)|経済学101

    もしも日が通貨危機におちいったら,世界経済が土台から揺らいでもおかしくない.Photo by jun rong loo on Unsplashまだ,日の通貨は自由落下してはいない.でも,そうなるかもしれない.2021年から円は安くなってきているけれど,先月,その動きは加速した: 最新の為替相場では,円がさらに下げて,1ドル154円から160円にまで進んだ. この20年ほどのあいだ,日を訪れたときにはたいてい頭の中で「1円はだいたい1セントか,あとちょっぴり安いくらい」と考えておいて困らなかった.いまや,円はだいたい 0.63セントになってる.これはすごい値下がりっぷりだよね. 当然ながら,日の人たちはこの事態に動揺してる.もっともな反応だ.日は世界でも屈指の輸入依存国で,エネルギー供給の 90% 以上,料の 60% 以上を輸入している.円が安くなると,日の人たちはいきなり貧し

    ノア・スミス「日本は通貨危機におちいってるの?」(2024年4月29日)|経済学101
    obsv
    obsv 2024/04/29
    “日本からお金が出ていくのがやまなかったら,日本の指導者たちは,利上げと緊縮で景気後退を引き起こすか,それとも,円を売るのを一時的に禁止するという過激な対策をとるか,決断を下さなくてはいけなくなる”
  • ノア・スミス「西洋の左翼は混乱してる」(2023年10月10日)|経済学101

    Photo by Stuart Meissner無辜の市民の虐殺をうれしげに支持するのは,残忍としか言えないじきに経済ネタのブログ活動に戻るよ.約束する.そのときは,まずクラウディア・ゴールディンのノーベル経済学賞から取り上げよう〔追記:こちら〕.ただ,まずは,イスラエル-ハマス戦争についてもうひとつ,書いておかないといけないことがある. 冒頭の画像は,アメリカ民主社会主義党のニューヨーク市支部がパレスチナの大義を支持して行った集会の様子だ.この集会が行われたのは10月8日,1,000人以上のハマスの武装集団がイスラエルを攻撃した翌日のことだ.これだけじゃなく,全米各地のアメリカ民主社会主義党の支部も同様の集会を開いたし,あちこちの大学のキャンパスでも集会は開かれた.報道によると,写真に写ってる女性は,イスラエル支持の反・抗議派の人たちに鉤十字を見せつけたそうだ. まだこの件をあまり読んで

    ノア・スミス「西洋の左翼は混乱してる」(2023年10月10日)|経済学101
  • ノア・スミス「バズりグラフにだまされない方法」(2023年9月13日)|経済学101

    第1部: 誤情報・まちがい・無意味データを見つける方法「どんな宣伝屋でも煽動者でも,その仕事をこなすには,これという聴衆に影響を及ぼす最良の手段を見つけ出さねばならない.このうえなく頭に入りやすく,見てわかりやすく,きわめて強烈な印象を残し,このうえない説得力をもって,確たる真実を提示する最良の手段を見つけなければ宣伝も扇動もできない.」 ――レーニン 2020年の終わり頃にこのブログを書き始めたとき,「こんな記事を書こう」というアイディアをあれこれと用意していた.そのひとつは,「バズりグラフにだまされない方法」という記事だ.有名なグラフをいろいろと準備万端にリストにまとめてあった.でも,ちょっとワケあって,その記事は後回しにした.それからの年月で,ネタになるグラフのリストは増える一方で,記事にとりかかるのをぼくはずっと後回しにしてた. でも,後回しはもう終わりだ.バズりグラフにいよいよ我

    ノア・スミス「バズりグラフにだまされない方法」(2023年9月13日)|経済学101
  • ノア・スミス「東京は新しいパリだ」(2023年7月17日)|経済学101

    Photo by Astemir Almov on Unsplash「しあわせに暮らせる場所は,この世に2つだけ.我が家と,パリだ.」――アーネスト・ヘミングウェイ 地上で最高の都市はどこだろう? 「ニューヨーク市」って答える人がいても,笑い飛ばしたりはしない.いまなお名目上は世界最大の経済大国で金融ハブの役回りをしているニューヨーク市は,他のどこの都市でもかなわないほどの経済力を有しているし,地球上の名もなき数百万もの人々にとって,いまでもあそこは夢の都市だ.「上海」って答えが返ってきたら,ぼくとしては懐疑的になってちょっと口を「へ」の字に曲げてしまうかもしれない.とはいえ,富と権力の中心としていずれ中国が先進諸国を圧倒する定めにあると思ってる人にとっては,上海はなるほど論理的な選択だろうね. でも,実のところ,最高の都市といったら東京だ. かくいうぼくは,またまた東京にいくべく支度を調

    ノア・スミス「東京は新しいパリだ」(2023年7月17日)|経済学101
  • ノア・スミス「いろんな経済学の派閥を採点してみると」(2023年7月13日)|経済学101

    "graffiti report card 1- close up" by bbaunach, CC BY 2.02020年からのインフレを正しく理解したのは誰だろう?パンデミック後に高まったインフレを鎮める戦いは着々と進んでいる.FRB が実際に目標に見据えているものにとても近い数値であるコアインフレ率は,前月との比較で 2% にまで下がっている: Source: Jason Furmanコアインフレ率は少しばかり上げもどすだろうけれど,それでも,他のどのインフレ指標を見ても,正しい方向に向かっている.というか,モノは先月よりも安くなってるし,サービス価格のインフレ率も下降傾向にある.最新の賃料を示す各種の数値を見ても,サービス価格は先月より下がってきてる.インフレをはかる各種の数値のなかでも外れ値に比較的に影響されにくい数値を見ても,そのすべてが同じ傾向を示している.基的にすべてのイ

    ノア・スミス「いろんな経済学の派閥を採点してみると」(2023年7月13日)|経済学101
  • ノア・スミス「脱成長:いらないよそんなの」(2023年5月24日)|経済学101

    貧困と衰退を称えてみたって環境や貧しい人たちの助けになんてならない1年半まえ,「脱成長論はろくでもないってみんなも気づきつつある」ってタイトルの記事を書いた〔日語版〕.あの頃,脱成長運動はアメリカでちょっとだけ注目を集めつつあった.気候変動に対抗する主要な行動をすすめようとする人々の後押しの一環としてだ.でも,エズラ・クライン,ブランコ・ミラノヴィッチ,ケルシー・パイパーといった著作家たちが意見を言葉にして,この考えを批判した.要点をかいつまんでいうと: クラインの指摘――〔脱成長で求められる〕生活水準の大幅な低下は,豊かな国々では政治的に受け入れられそうにない. ミラノヴィッチは次の点を論じた――世界規模で意味のある脱成長が実現されるには,豊かな国々をこえて運動が広まらないといけない.他方で,脱成長のためには,貧しい国々が貧困から抜け出すのを止めなくてはならない.これは,政治的に実現困

    ノア・スミス「脱成長:いらないよそんなの」(2023年5月24日)|経済学101
    obsv
    obsv 2023/06/07
    “成長の人たちが参照して引き合いに出す研究は,たんに都合がいいものだけ選り好みしてるだけじゃなく,すでに決まった筋書きを支持するように歪めてること請け合いだ.”
  • ラジブ・カーン「なぜインテリは皆で“ウォーク(感情的文化左派化)”するのか、あるいは“保守”にならない理由」(2020年9月30日)|経済学101

    ラジブ・カーン「なぜインテリは皆で“ウォーク(感情的文化左派化)”するのか、あるいは“保守”にならない理由」(2020年9月30日) (ウォークしていない)進歩派の友人に、「インテリには、左派/進歩派が多くて、保守派が圧倒的に少ないのはなぜなんだい?」と聞かれた。私は大まかに2つの理由があると思っている。この2つは相互作用している。 まず1つ目の理由。IQが高い人は、抽象的思考、体系構築、合理的思考に馴染んていることである。左派、リベラリズム(自由主義)、リバタリアニズムといった思考形態は、合理性の体系化を端緒にしているので、IQの高い人は、そこからすぐになんらかの示唆を得ることができる。史的唯物論、ロールズ的政治哲学、新古典派経済学、自然権思想等を挙げられるだろう。保守主義は、統一的で普遍的な合理的思想体系を提示しないので、〔インテリからすれば〕選択肢は、不明瞭、ハッキリ確立されたものと

    ラジブ・カーン「なぜインテリは皆で“ウォーク(感情的文化左派化)”するのか、あるいは“保守”にならない理由」(2020年9月30日)|経済学101
  • ノア・スミス「終末論者にならないようにね」(2023年2月22日)|経済学101

    きらびやかな悲観論は,なんの役にも立たないよこのところ,メディアでさかんに論議されているものといえば,アメリカに押し寄せてる十代の不幸の原因はいったいなんなのかってテーマだ.先日,『ワシントンポスト』記者のテイラー・ローレンツが連続ツイートでこう論じていた――いま十代の子たちが不幸せになっている主な理由は,単純に,自分たちを取り巻く世界が「地獄めいた場所」だと彼らが認識しているからにすぎないんだそうだ: タイラー・ローレンツ:みんな言うよね,「いまどきの子はなんであんなにになってるんだ,スマホのせいにちがいない!」 でも,そんな人たちがぜったいに言わないことがある――いま私たちが生きてるのは,後期資主義なうえに恐ろしいパンデミックに記録的な水準の富の格差までついてきて,しかも社会的セーフティネットは皆無,雇用の安定もなし,気候変動で地球があつあつに調理されてる真っ最中だってことを. タ

    ノア・スミス「終末論者にならないようにね」(2023年2月22日)|経済学101
  • ノア・スミス「やっぱりもしかしてスマホがわるいのかも」(2023年3月2日)|経済学101

    By Matthew Yohe, CC BY-SA 3.0十代の子たちの不幸を説明するもっとも有望な要因「テレビなんてぶち壊せ / 新聞なんて投げ捨てろ / 田舎に行こう / 家を建てよう」――ジョン・プライン アメリカで広まっている十代の不幸について,興味を引く議論が続いている.発端は,疾病対策予防センター (CDC) の調査報告だ.これによると,アメリカの高校生たちのあいだで,哀しみや無力感が増えてきている.とくに女の子で顕著だ.たんに,聞き取り調査に対してみんながこれまでとちがう回答をしているだけじゃない.十代の自殺者も増えているし,不安やの症状も増えている.2012年~2013年ごろから,事態が悪化しはじめている: Source: Twenge (2020)考えうる理由のひとつは,「2011年よりも世の中がずっとひどくなってしまったから」というものだ.テイラー・ローレンツが言うよ

    ノア・スミス「やっぱりもしかしてスマホがわるいのかも」(2023年3月2日)|経済学101
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