人の心の動きについて研究する心理学の世界で、3人の研究者が卑猥な言動を繰り返したり、無断で女性を撮影したりするセクハラ行為をしたとして、学会から処分されていたことがわかった。それぞれ大学の助教や講師を務める30〜40代の男性で、臨床心理士・公認心理師でもある。 彼らが所属する日本認知・行動療法学会は11月15日、学会員によるハラスメントがあったとして処分を発表した。2年間、学会関連の講演依頼などを停止するという。 一方、同じく3人が所属する日本心理学会は、11月17日段階で処分を公表しておらず「事実があったかなかったも回答しない」としている。 ●研究用のワークスペースに避妊具の写真を投稿 関係者の話を総合すると、処分の対象となったのは、同じ学会に所属する研究仲間の女性Aさん(20代)に対するセクシャルハラスメント行為だ。 彼女の服装について話題にし、「スカートはいてるってことはヤレたってこ
「難民をほとんど見つけることができません」。こう発言した柳瀬房子・難民審査参与員の2年分の審査件数が参院法務委員会で明らかになり、入管法改正の「立法事実」に疑問符が突きつけられている。 冒頭の柳瀬氏の発言は、入管法改正の根拠とされている。ところが、柳瀬氏は2年間で、約2000件の審査請求(不服申し立て)を処理し、1年半で500人の申請者に対面審査(インタビュー)していたことがわかった。 しかし、これほどの審査件数を「適正」に実施することはできるのか。それ以前に出入国在留管理庁(入管)がごく一部の参与員を偏重することに問題はないのか。今、難民審査参与員への関心が高まっている。 5月23日の法務委員会で参考人として質疑に応じて、「柳瀬氏とは異なる認識を持っている」と話した阿部浩己さんは、人権と難民の研究を専門とする国際法学者だ。 難民審査参与員としての約10年間の経験から、制度の問題に言及され
東京・山谷や横浜・寿と並び、三大ドヤ街の1つとして知られる釜ヶ崎地区(大阪市西成区。「あいりん地区」ともよばれる)。「日雇い労働者の街」としても知られ、世間では「治安が悪い」「危険」というイメージも付きまとう。 ここには、住む場所がないために住民票や保険証を持っていない人、生活に困窮している人など、さまざまな「事情」を抱えた人たちが集まってくる。そんな釜ヶ崎を拠点に活動する男性弁護士がいる。憲法学者でもある遠藤比呂通弁護士だ。 この街で、何が起きているのか。弁護士、そして研究者として釜ヶ崎で生きる中で、何を見てきたのか。9月下旬のある雨の日、事務所を訪問して話を聞いた。 ●「学び」の場を「大学」から「釜ヶ崎」へ 釜ヶ崎に流れ着いた人たちには、彼らにしか分からない事情がある。人生の過程で何かを経験してきた彼らだからこそ、語れることばがある。遠藤氏は、そんな彼らから「学び」を得ていると語る。
ジャーナリストの伊藤詩織さんを誹謗中傷するツイートに「いいね」を押したことが伊藤さんの名誉感情を侵害したとして、自民党の杉田水脈衆院議員に慰謝料など220万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が10月20日、東京高裁であり、石井浩裁判長は、請求を棄却した1審・東京地裁判決を変更し、杉田議員に55万円の賠償を命じた。 ツイッターの「いいね」で不法行為を認めた判決は初めてとみられる。 ただ、代理人の佃克彦弁護士は「この判決が『いいね』が不法行為になったという先例として世の中に広まっていくのは本意ではない。特定の事例における判断で、人の悪口に『いいね』を押せば損害賠償と言っている判決ではない」と強調した。 ●「特定の事例における特定の判断」 名誉感情侵害は、社会通念上許される限度を超える侮辱行為であると認められるかどうかが判断基準となる。 石井裁判長は、「いいね」を押す行為が名誉感情を侵害するか
「単にモザイクがかかっていないだけで、『わいせつ物』と認定されるのはおかしい。刑法175条1項は『表現の自由』を侵害して、違憲だ」。自分で撮影した無修正のアダルト動画をFC2コンテンツマーケットで販売したとして、罪に問われている男性が、こんな前代未聞の主張を展開して、刑事裁判の控訴審を戦おうとしている。 男性は、弁護士ドットコムニュースの取材に「『わいせつ』の基準は、時代に合わせて変えるべきだと思います。しかし、チャタレイ事件や四畳半襖の下張り事件の時代から同じままです。勝つのは難しいと思いますが、最高裁まで戦って、なんとか爪痕を残したいと考えています」と語る。 ●海外の業者を通じて「無修正」を売るようになった 刑法175条1項で定められた「わいせつ電磁的記録送信頒布の罪」に問われているのは、都内在住の会社役員、大島さん(仮名)だ。 男性が男性器を露出して、女性がその性器を口に含む「口腔性
新型コロナに感染して欠席した授業について救済措置が受けられず留年したのは不当だとして、東京大教養学部2年の杉浦蒼大(そうた)さん(20)が8月19日、東大を相手取り、処分の取り消しなどを求め提訴した。 東大側の抗議文がホームページに掲載(8月5日付、18日付で削除)された後は「詐病だ」などの誹謗中傷にも悩まされ、名誉毀損の損害賠償も求めている。 杉浦さんと代理人の井上清成弁護士らが同日、都内で会見した。理科Ⅲ類の杉浦さんは医師になるのが夢で「過失のない患者への差別で教育の機会を奪われた。いち早く医療を学びたい」と話した。 ●「コロナの重篤な症状で欠席届を出すのが遅れた」 杉浦さんは8月19日付で単位が不足しているとして進学選択が不可能になり、留年が決定した。留年した場合、10月からの後期授業は受けられないという。 原告側によると、杉浦さんは5月17日に新型コロナを発症し「基礎生命科学実験」
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