欧州中央銀行(ECB)当局者は、最近まで利下げへの言及にさえ慎重だったが、今では6月の開始について隠さず発言する様相が強まった。 世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)に出席したラガルド総裁らは、6月より前の利下げを織り込む投資家の見方を退ける一方、今年半ば前後に動く可能性を示唆した。そのころになれば、インフレや賃金、足取りの重い景気の動向、イエメンの親イラン武装組織フーシ派の商船攻撃に伴うサプライチェーンの損害に関し、より多くの情報が得られる見通しだ。 夏の利下げの可能性について質問されたラガルド総裁は「あり得る」と説明。不確実性が引き続き高く、全ての指標がECBが望む水準にあるわけでないと警告したものの、意図を明確に示すメッセージと受け止められた。 INGのマクロリサーチ・グローバル責任者カルステン・ブルゼスキ氏は「この発言には少し驚かされた。そのようなことをECB総裁が言