【ヒューストン=花房良祐】航空機大手の米ボーイングの中型機「787」の品質検査に不備があったとして、米連邦航空局(FAA)が調査していることが明らかになった。主翼と胴体の接合部で必要とされる検査を複数の担当者が実施せず、検査記録を改ざんしていたという。4月に社内通報で発覚し、同社がFAAに報告した。同社の「787」担当幹部は同月末、社内向けメールで「複数の社員が必要な検査を実施していないのに実
鹿児島県で保存される旧陸軍戦闘機「疾風」の状態調査が行われ、新たな発見や良好な保存状態が再確認されました。こうした保存の取り組みは、南九州市の指定文化財への活動に繋がっています。 今年も実施 知覧「疾風」の状態調査 鹿児島県南九州市知覧町にある「知覧特攻平和会館」において、2024年2月26日から29日までの4日間、展示されている四式戦闘機「疾風」の状態調査が行われました。8回目となるこの調査に、筆者(吉川和篤:軍事ライター/イラストレーター)も同行して、初日からその模様を取材・見学することができました。 拡大画像 状態調査の初日、機首カウルの点検パネルが外されてエンジンが剥き出しになった、知覧特攻平和会館の四式戦闘機一型(キ84-I甲)「疾風」(吉川和篤撮影)。 四式戦闘機「疾風」は、太平洋戦争の後半である1943(昭和18)年に中島飛行機(現SUBARU)が開発した旧日本陸軍の主力戦闘
航空業界コンサルタントのクリフ・コリアーはここ数年、この分野の工場フロアを歩いていると20代の労働者が多いことに気づくという。「私のこれまでのキャリアで見たことがないほど多くの若い人たちを目にします」と彼は語る。 手作業が多い複雑な組み立て工程をマスターするために何年もかかることもあるこの業界で、これは大きな変化だ。コリアーが見た若い労働者たちは、コロナ禍の間にボーイングや同社のサプライヤーで人員削減の対象になった何万人もの経験豊富な労働者たちの代わりに入社した。 コリアーをはじめとする航空業界の専門家たちは、ボーイングと同社の機体サプライヤーであるスピリット・エアロシステムズがここ数年直面している問題の背景に、熟練した労働者たちの離職があると指摘している。1月には、アラスカ航空が運航するボーイング737MAX9型機の側壁が離陸直後に吹き飛ぶ事故が発生したが、この事故の原因は、事故機の工場
固定翼機と回転翼機の長所をあわせ持ち、高速飛行もできるオスプレイは、なぜ能登地方の被災地へ投入されないのでしょうか。それにはやはり、被災地が抱える地理的要因や気候も関係しています。 オスプレイは木更津駐屯地に配備 2024年の元日に発生した能登半島地震は、最も起きてほしくない時と場所で発生しました。被災地は、紀元前500年頃に中国で書かれた兵法書『孫子』でいうところの「険」「狭」の環境で、行動するのがとても難しいところです。こういった場所では大兵力も有効には使えません。それは現代技術で海路や空路を使えるようになっても、制約条件であることには変わりはないのです。 拡大画像 「令和4年度離島総合防災訓練」で神津島ヘリポートに着陸する陸上自衛隊のV-22オスプレイ。木更津駐屯地からCH-47の約半分の時間で到着した(月刊PANZER編集部撮影)。 それでも海路では、海上自衛隊がLCACと呼ばれる
757ってだけで「キター」なのに、なんかついとるんですよ…。 機齢、40年!! 羽田空港に2023年2月15日から、ユニークな飛行機が飛来しています。日本の航空会社では導入されなかったレア旅客機「ボーイング757」をベースに、アメリカのハネウェル・エアロスペース社がさまざまな改造を施した”魔改造機”です。もっとも特徴的なのは、胴体右側の前方に、主翼が中途半端な位置で切断されたような、なんとも不思議な形状の突起物が設置されていることです。 拡大画像 羽田空港に駐機するハネウェルのボーイング757(乗りものニュース編集部撮影)。 「N757HW」の機番を付与されたこの757は、1983年にかつてアメリカにあった大手航空会社、イースタン航空でデビュー。この機は757の製造5機目、最古参の機体のひとつです。その後いくつかの民間航空会社を経てハネウェル社に転籍しました。同社は、航空関連などの先端技術
ミリタリーに限らず、乗りもの関連に興味を持つと、必ず悩みの種になるのが、同じ名前なのにバージョン違いがあること。零戦もその例にもれませんが、結構わかりやすい方かもしれません。 二一型、三二型、二二型、五二型…なにが違う? 戦車、戦闘機、軍艦など、陸海空問わずミリタリー関連に興味を持った場合、意外と混乱するのが、同じ兵器ながらタイプやバージョンの違いが、数多く存在することです。それらは名前こそ一緒でも、それに続く番号やアルファベット表記が異なることで別のモデルになり、モノによっては似ても似つかない外観になってしまいます。おそらく日本で一番有名な戦闘機である旧日本海軍の零式艦上戦闘機(零戦)も、その例にもれず、いくつかのタイプが存在します。 拡大画像 零戦二一型は翼端が折り畳み式(画像:アメリカ海軍)
航空自衛隊の次期戦闘機について、日本、イギリス、イタリアの3か国は共通の機体を共同で開発すると発表しました。防衛省は2035年ごろまでに配備を始めたいとしています。 防衛省は、航空自衛隊のF2戦闘機が2035年ごろから順次、退役することから、後継の次期戦闘機を開発するため、イギリス、イタリアと協力に向けた協議を続けてきました。 その結果、日本、イギリス、イタリアは9日午後、共同首脳声明を発表し、次期戦闘機について3か国で共通の機体を共同で開発することを明らかにしました。 防衛省は共同開発によって3か国の技術を結集できるとともに、費用を分担することで開発コストを抑えられるとしています。 機体の共同開発には日本の三菱重工業やイギリスのBAEシステムズ、イタリアのレオナルド社などが参加する見通しで、エンジンも日本のIHIなどが参加して共通のものを開発する計画です。 防衛省は2035年ごろまでに配
欧米では、自分でパーツを組み立て、自家用機として空を飛ぶことが認められています。そこでは日本製自動車エンジンの飛行機への転用が以前から行われており、しかも人気があるとのこと。理由は何なのでしょう。 小型機ではレシプロ・エンジンが健在 欧米の航空先進国では、自作機やキットを組み立てた飛行機など型式認定のない航空機を自家用機として使用することが認められています。法律上では、「実験機」を意味する「エクスペリメンタル」というカテゴリーに分類される航空機で、一定の条件を満たせば耐空証明が給付され、航空機として登録されるものです。 航空機として登録されれば、航空機保険にも加入できるため、型式認定を取得している航空機との違いは、事業目的で使用する場合などに制約がある点のみです。 そのため、これら「エクスペリメンタル・カテゴリー」の機体は、型式認定のないエンジンでも用いることが可能なことから、自作機の愛好
国産初のジェット旅客機を開発している三菱重工業は、開発の遅れで業績に大きな影響が出ていることから、70席クラスの機体の開発を当面見合わせるなど、開発の計画を大幅に見直す方針を固めました。新型コロナウイルスの感染拡大で今後の航空機需要が不透明となる中、開発は厳しい状況に直面しています。 具体的には、型式証明の取得に向けてすでに飛行試験を行っている90席クラスの機体は、量産機の製造を先送りします。 また、今後主力として開発を予定していた70席クラスの機体は、当面開発を見合わせるということです。 三菱重工は、ジェット旅客機の開発の遅れによってことし3月期の決算で多額の損失を計上し、本業のもうけに当たる「事業損益」が20年ぶりの赤字に転落しました。 加えて、新型コロナウイルスの感染拡大で今後の航空機需要が不透明になっています。 こうしたことから会社は、今年度の開発費を従来の半分程度のおよそ600億
川崎重工業は2016年10月15日(火)に創立120周年を迎えます。これを記念し、神戸市の神戸ポートターミナル「大ホール」で「川崎重工創立120周年記念展 - 世界最速にかけた誇り高き情熱 -」を開催します。 この記念展は、同社岐阜工場で修復、復元作業を終えたばかりの三式戦闘機「飛燕」の実機を展示し、その修復プロジェクトとエンジンの過給機の技術の歴史、進化を中心に展示会を構成します。 現在の川崎重工グループは、創業者の川崎正蔵氏が東京・築地での造船所開設を起源に、神戸に移ったのち、1896(明治29)年に松方幸次郎氏を初代社長に、株式会社川崎造船所となりました。 記念展の主役となる「飛燕」は、第二次世界大戦中に開発・製造された航空機で、2015年夏まで鹿児島県南九州市の知覧特攻平和会館に展示されていた機体で、「近代化産業遺産群」に認定された航空遺産です。 展示する「飛燕」は、現在の所有者の
世界的な航空機メーカーであるエアバスが、既存の航空機における座席設計を根本から覆すような新しい「中2階的な2段式の座席設計」に関する特許を申請したことが明らかになりました。 United States Patent Application: 0150274298 http://appft.uspto.gov/netacgi/nph-Parser?Sect1=PTO2&Sect2=HITOFF&p=1&u=%2Fnetahtml%2FPTO%2Fsearch-bool.html&r=12&f=G&l=50&co1=AND&d=PG01&s1=airbus&OS=airbus&RS=airbus Airbus files patent for split-level mezzanine style seating in business class | Daily Mail Online ht
こやまの航空宇宙博物館雑記帳: えとせとら 第16話 「飛燕」設計関係者との懇談録 written by S. Koyama. 2010年3月、戦時中の各務原を代表する飛行機ともいえる、三式戦闘機・キ61「飛燕」の設計に携われた人物が岐阜市内ご存命との連絡を受けたので、お話を伺いに行ってきました。 その方は松井辰彌さん。 戦時中は川崎航空機工業において「飛燕」戦闘機や五式戦闘機の設計に従事されたとのことです。 「飛燕」の設計資料等は終戦時に全て焼却処分されてしまったとのことで、ご記憶だけで当時のことを語ってただいたということもあり、お話の内容に通説とは異なる部分がありますが、基本的に松井さんが語られた内容をそのまま記述させていただきました。(文中では、私の方で一部、補足や注記を入れてあるところもあります) 極力、会話をそのまま記するようにしましたので、読みにくい部分が多々あるかと
航空機大手エアバスの大型機「A380」の購入契約をめぐり、国内航空3位のスカイマークに対し、エアバス側が大手航空会社の傘下に入るよう要求していることがわかった。スカイマークの経営が悪化しているためで、契約をキャンセルする場合は巨額の違約金を求めるとしている。 スカイマークの西久保慎一社長が文書で明らかにした。同社は来年にも国際線に参入するため、1900億円強をかけてA380を6機買う契約を結んでいた。だが、円安による燃料費負担の増加などで経営が厳しいことから、エアバスに購入の先送りを申し入れたところ、大手の傘下に入って財務体質を改善するよう求められたという。 西久保社長は「経営の主体性を揺るがすような要求は受け入れられない」として、身売りの要求は拒否する意向だ。同社は、6機の納入の一部を先送りし、残りをキャンセルすることで購入資金を確保したい考えで、国際線への参入時期などは大幅に見直すとい
長年、外車を乗り続けてきた友人が最近、スバルの「レガシィ」を購入した。彼女いわく「いろいろ試したけど全ての要求を満たしてくれる」とのこと。性能重視の見解に、友人が真の車好きであることを改めて認識した次第。 その富士重工業、自動車販売では輸出が好調なこともあり、過去最高の売り上げを更新するなど、活気をみせている。同社独自の安全技術である「アイサイト」の採用もこれを後押ししているようだ。 これは、前方の歩行者や障害物を感知し、自動的にブレーキがかかるシステムだ。また、前の車との距離を測り、間が詰まってくると運転手に警告したり、減速することができる。2008年の発売以来「アイサイト」という名称は、すっかりポピュラーになっている。 しかし、この機能が無人機の開発と深く関係していることを知る人は、あまりいないだろう。 「アイサイト」は、無人機の自動着陸に関する社内研究成果とルーツは同じであり、それを
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